銀行間取引に導入されるSpunta Project(Spuntaプロジェクト)とは

 

この記事のポイント

■イタリア国内の14の銀行から構成されるプロジェクト
■分散型台帳技術プラットフォームであるCORDAを採用
■NTTデータ・イタリアがアプリ開発を担当

Spunta Project(Spuntaプロジェクト)とは

Spunta Projecはイタリア国内の銀行14行から構成されているプロジェクトで、R3ブロックチェーンコンソーシアムによって開発された分散型台帳技術プラットフォームであるCordaを採用しているという特徴があります。このプロジェクトは、インターバンク間の取引業務を強化することを目的として開発が進められているプロジェクトで、まだ実用化には至っていないものの、初期トライアルテストに成功しています。

実際の取引にはNTTデータ・イタリア社が開発したアプリが使用されることになっていて、ネットワーク技術の大手SIA社がノードを提供しています。実際にこの初期トライアルテスト期間は10カ月ありましたが、その期間内に既に120万件の取引がSpunta Projectによって処理されていて、特に大きなトラブルは起こっていません。今後、実用化に向けて新たな一歩を踏み出すことになるでしょう。

Spunta Projectがもたらすメリット

Spunta Projectにはブロックチェーン技術が採用されています。ブロックチェーン技術には、過去のデータを改ざんできないという特徴があるとともに、処理スピードが速く多くの人がデータを共有できるという特徴を持っています。Spunta Projectはインターバンク間の取引に採用されるプロジェクトですが、こうしたブロックチェーン技術が持つ透明性や効率性、情報処理スピードという特徴を生かすことができます。

イタリアの銀行によるミスマッチを回避する策として、Cordaを使用してマッチングプロセスを自動化したり、銀行業務の全般的な効率化や精度アップしたりすることも期待できそうです。現段階では銀行間取引に適用されるプロジェクトという位置づけとなっていますが、将来的には拡張して銀行における日常業務にもブロックチェーン技術を採用することが検討されているようです。

国際間取引にも進出できるか

Spunta Projectに使用されているCordaプラットフォームは、オープンソースです。そのため、イタリア国内の銀行間取引以外にも、国際間の取引として利用することも可能です。Cordaプラットフォームを採用する企業は多く、2017年10月時点ではすでに22の銀行が加盟して、国際間の支払いにCordaプラットフォームを構築するプロジェクトに取り掛かっています。その中には、イギリスやドイツ、ノルウェー、香港、中国、韓国、フランス、アメリカなどたくさんの金融機関があります。