Ethereum用マイニングマシンを開発する中国のベンチャー企業「Linzhi Ltd.」

Linzhi Ltd.は、仮想通貨のマイニングデバイスを開発するベンチャー企業です。2019年4月に、EthereumとEthereum Classicで用いられるアルゴリズム「ethhash」に対応したアプリケーション特化型集積回路(ASICs)の発売を予定しています。

Linzhi Ltd.について

・Ethereum用マイニングマシンを開発
・ライバルを圧倒するハッシュパワー
・反対の声も多い

Ethereum用マイニングマシンを開発

Linzhi Ltd.は、中国深圳市に本拠を置くマイニングデバイスの開発企業です。Bitcoin向けのマイニングチップを開発するCanaan Creativeの共同創始者で、最初のBitcoin向けのマイニングASICsの開発者でもあるChen Min氏によって、2018年に設立されました。Bitcoin用のマイニングデバイスの開発経験を生かし、Chen氏は同社における最初のプロジェクトとして、EthereumとEthereum Classicで用いられる「ethhash」というアルゴリズムに取り組み、新しいタイプのEthereum用マイニングASICsの開発を行っています。

ライバルを圧倒するハッシュパワー

2018年9月に開催された「 SUMMIT」にて、Chen氏はLinzhiでの取り組みについてプレゼンテーションを行いました。それによると、Linzhiの最初の製品となるマイニングマシンは「Lavasnow」という名前で、競合他社となるBitmainのethhash用のマイニングマシンと比較して、電力消費はわずか8分の1で、1秒当たり14億ものハッシュ処理が可能だとのことです。Bitmainのマイニングマシン「Antminer」の1秒当たりのハッシュ処理は190ですから、実現するととんでもないハッシュパワーになります。Antminerが1日に生み出せるのが3ドルに対して、Lavasnowは1日当たり20ドルを生み出せるとの予想です。Chen氏によると、Lavasnowは4カ月で損益分岐点を超えるとも予想しています。

反対の声も多い

Linzhiは、Lavasnowの発売を2019年4月に予定しています。ただ、ASICsへの反対の声もEthereumのコミュニティメンバーや個人マイナーから上がっているほか、Ethereumの開発チームはASICsを無効化するアップグレードを画策しているなど、予定通り順調に進むかはわからない状況です。