仮想通貨カストディ大手のKingdom Trustはなぜ注目されるのか?

 

近頃の仮想通貨市場において、Kingdom Trustに関するニュースが後を断ちません。

・Kingdom Trustは120億ドルの資産を管理する仮想通貨カストディ大手
・BitGoが買収を計画していたが、結局Cinnoberの傘下になった
・世界最大の保険組合ロイズがその資産に保険をかけた

一体、Kingdom Trustとはどのような企業で、なぜ度々ニュースに登場するのか?考えてみます。

仮想通貨市場から注目されるKingdom Trust

Kingdom Trustとは、仮想通貨カストディ大手と言われる企業です。カストディとは、投資家が購入した有価証券などの資産を保管して管理するサービスを提供することです。Kingdom Trustは、仮想通貨に対してカストディサービスを提供する企業なのです。

仮想通貨の分野でも、盗難や紛失が相次いだため、このカストディサービスの利用を検討する投資家が増えているようです。そのため、Kingdom Trustが注目を浴び始めました。

Kingdom Trustのクライアントは10万件以上あり、その管理する資産は120億ドル以上。クライアントは機関投資家がほとんどです。2018年9月の時点で30種類以上の保管に対応しています。このKingdom Trustは、機関投資家だけでなく他の企業からも注目を浴びているのです。

2018年はじめには、仮想通貨のスタートアップ企業であるBitGo がKingdom Trustの買収を表明しました。しかし、BitGoは最終的には自前のカストディサービスを立ち上げ、Kingdom Trustは結局フィンテックプロバイダーのCinnoberの傘下に入りました。

そして、今度はCinnoberがNASDAQに買収されることになり、Kingdom TrustもNSDAQグループになりそうです。なぜ、みんなKingdom Trustを欲しがるのでしょうか?その秘密は、2018年8月のニュースに秘密があります。

世界最大の保険組合ロイズがKingdom Trustに保険をかける

投資家が仮想通貨市場への参入を躊躇する理由は、仮想通貨自体の不安定性と、それに対する保証の無さがあげられます。今まで、仮想通貨に保険をかけようとする保険会社は皆無に等しく、盗難されても紛失しても補填されないのが仮想通貨だったのです。

しかし、Kingdom Trustの資産には保険がかかりました。しかも、保険をかけたのは世界最大の保険組合ロイズ(Lloyds)です。これによって、Kingdom Trustの信頼性はますます高まり、各企業が注目するようになったのです。