マレーシアが国を挙げて取り組む高度技術のためのマレーシア政府産業グループMalaysian Industry-Government Group for High Technology(MIGHT)

この記事のポイント

■マレーシアが国家主導でブロックチェーン技術を活用するプロジェクト
■対象分野はイスラム金融、再生可能エネルギー、パーム油
■実用化すれば国民に大きな利益

マレーシアが国のトップ産業にブロックチェーン技術を導入

Malaysian Industry-Government Group for High Technology(MIGHT)とは、マレーシア政府が国を挙げて開発に取り組んでいる高度技術のためのマレーシア政府産業グループです。この開発チームは、マレーシア国内の産業の中でも多大な利益を生み出しているトップ産業であるイスラム金融、再生可能エネルギー、パーム油の分野において、ブロックチェーン技術を活用することによって、流動効率を高めたり、業務の持続性や透明性を高めることを目的とした開発がすすめられています。

ブロックチェーン技術を他分野に適用

Malaysian Industry-Government Group for High Technology(MIGHT)が行う開発は、一つの分野だけではなく異なる他分野に適用するための開発内容となっています。例えばイスラム金融におけるブロックチェーン技術導入では、ブロックチェーン上に借入記録を残すことによって、従来の取引で必要となった現物での担保が必要なくなることを目指しています。イスラム金融は独自の文化や規律から、借入の際には現物担保が必要となっていました。しかしこのプロジェクトが実用化されれば、現物担保が必要なくなるので業務の大幅な効率化が期待できます。
再生可能エネルギーの分野では、電力会社と協力しながら電力の生産元をブロックチェーンを使って明確にすることを目指します。電力購入者は生産元を確認した上で購入出来るようになり、法人でも個人でも、信頼できる電力売買を可能にしてくれるでしょう。
パーム油の分野はその栽培環境や労働環境が劣悪だとして世界でも話題となりやすい分野なのですが、ブロックチェーン技術を導入することによって、パーム油の生産元を明確に記録できるようになります。児童労働や劣悪な労働環境を敷いている生産元を排除できるようになるため、よりクリーンな製造環境を目指すことができるわけです。

国民にとって大きな利益が期待

Malaysian Industry-Government Group for High Technology(MIGHT)が行っているこのプロジェクトが実用化されれば、政府機関や特定の企業だけが恩恵を受けるわけではなく、国民一人一人の生活にもプラスの影響が出ると期待されています。特に労働環境が改善されるということは、国民にとっては大きなプラスではないでしょうか。