香港証券取引所へのIPOの再申請を検討中とされるマイニング機器製造会社の「Ebang」

 

Zhejiang Ebang Communication(以下、Ebang)は、中国杭州市に本拠を構えるマイニング機器の製造会社です。香港証券取引所への上場を目指してIPOを申請していましたが、現在は再申請を検討中と伝えられています。

Ebangについて

・ビットコインのマイニング機器製造業界3番手の大手企業
・2018年6月に香港証券取引所へのIPOを申請
・資金調達の目標額を下げて再申請か

ビットコインのマイニング機器製造業界3番手の大手企業

Ebangは、ビットコインのマイニング機器製造において業界第3位の規模を誇ります。第1位は世界のシェアの約8割を占めると言われる北京のBitmainであり、第2位はこちらも北京に本社を置くCanaanです。Ebangはこの3年間で収益を大幅に伸ばしています。2015年の利益が2900万元(約4億8500万円)だったのが、2017年には9億2500万元(約154億7500万円)と約30倍もの驚異的な成長です。Ebangはマイニング用の薄型チップの開発を行っていますが、今後、マイニングアルゴリズムのための機器の開発にも着手する計画があります。

2018年6月に香港証券取引所へのIPOを申請

そんな驚異的な成長を見せるEbangが、香港証券取引所へのIPOを申請を提出したことが2018年6月に報じられました。Canaanに次ぎ、香港証券取引所へのIPOを試みる2番目のビットコイン用マイニング機器製造会社になります。ロイターの報道では、EbangはIPOによって10億ドルもの資金調達を狙っているとのことでした。現在のシェアを、今後発売する7nmチップによって拡大させたいとのことです。

資金調達の目標額を下げて再申請か

しかし、2018年の第三四半期以降、Ebangの財政状況が大幅に悪化していることがわかりました。大手仮想通貨メディアによると、当初の10億円という資金調達の目標額を半分以下にして再申請を検討しているとのことです。香港証券取引所へのIPOを試みるこの分野の有名企業には、EbangのほかCanaanとBitmainがありますが、Bitmainの方はまだ審査中の状況であり、Canaanの方は申請から6カ月が経過して失効となっています。業界最大手の3社においても、IPOはなかなか進展しないのが現状であり、それだけ仮想通貨市場のボラタリティの高さが懸念されていることが明らかと言えるでしょう。