モノのインターネットIoTプロジェクトの未来像となるEthyl

 

この記事のポイント

■Ethyl はNEMブロックチェーンを採用したIoTプロジェクト
■分散型サーバーとして機能
■多種多様なメーカーやデバイスをサポート

Ethyl はIoTの未来像となるのか

現在、モノのインターネットは中央集権システムとなっていて、同一メーカーから販売されている多種多様な製品が同じサーバーを使用しているということは珍しくありません。また、問題なく機能しているサービスでも、年数経過によってサポート打ち切りとなってしまう事態も増えています。

そうしたモノのインターネットの未来像となるのでは?と期待されているのが、ブロックチェーン技術を採用したプロジェクトEthylです。これはNEMブロックチェーンを使用することでIoTを分散化し、それぞれの建物や世帯が同じハブを利用するという仕組みとなっています。分散型のサーバーとしても機能できるため、メーカー側からの一方的なサービス停止によってトラブルが起こるリスクを最小限に抑えることにもつながります。

Ethylの特徴

Ethylは、ネット環境に接続する際にはブロックチェーンの技術を基盤としますが、日常的な使用においては、かならずしもネットに接続する必要はありません。ネットに接続せずに使用する場合にはオフチェーンの状態となり、手数料の点で節約することにもつながります。これは、IoTにおけるEthylの大きな特徴と言えます。

さらに、Ethylでは一つのメーカーと提携して開発が進められているわけではありません。そのため、多種多様なメーカーからのサービスをサポートでき、スマホデバイスに関してもIPベースのAPIに加えて、ZigBeeやGeneral RF、Z-Waveなどのオープン規格に対しても対応可能という魅力があります。

中央集権に頼らないから継続的な稼働が可能

Ethylを利用すると、従来の中央集権的な環境に頼らずに分散型サーバーとして継続的な稼働が可能となります。もちろん、サービスを利用する際にはブロックチェーンの機能が必要となりますし、デバイスをネットに接続するという環境は必要不可欠になりますが、その建物や世帯に電気が通っていてネットアクセスが可能なら、長期間トラブルを感じることなく作動し続けることができるのです。この点は、Ethylの大きなメリットとして高く評価されています。ブロックチェーンは多種多様な分野に進出していますが、利益追求だけではなく、IoTのようなプライバシーとセキュリティ目的で使用することも可能にしてくれます。