Bithumbの不正を指摘したCrypto Exchange Ranks(CER)のGleb Myrko氏

 

Gleb Myrko氏がマーケティングの責任者を務めるCrypto Exchange Ranks(CER)が、韓国の仮想通貨取引所「Bithumb」のチャートを調査した結果、人為的な操作による取引量の水増しがある可能性が高いことがわかりました。

CERが発表したBithumbの不正行為について

・ウォッシュトレードの痕跡が見つかる
・取引量を94%水増しか
・仮想通貨市場全体のイメージを損なう行動

ウォッシュトレードの痕跡が見つかる

Myrko氏の在籍するCERは、エストニアにあるサイバーセキュリティのHacken Ecosystemが運営する仮想通貨取引所の格付けサイトです。Myrko氏によると、Bithumbのチャートを多角的に分析した結果、ウォッシュトレードなど人為的な操作の痕跡が見つかり、取引量と価格の相関関係を調べたところBithumbの出来高が増加していることと価格変動に関連性が認められないという結論に達したとのことです。

取引量を94%水増しか

Myrko氏の指摘したウォッシュトレードとは、口座間で実態のない売買を繰り返して取引量を多く見せる違法行為です。Bithumbの取引量は、こうした違法行為で94%が水増しされたものと見られます。また、CERの発表では2018年9月にCoinMarketCapにランキングする取引所10社のなかで、Bithumbの取引量は3.5億ドルと最も低かったにもかかわらず、2カ月後にはその約12倍の44億ドルまで増大しているとのことです。また、CERがさらに調査を進めたところ、2018年9月には特に値動きの要因がないのにもかかわらず、Bithumbではビットコインの取引高が1日で約10倍にも増加していた日があることが明らかになりました。こうした分析の結果、Bithumbでは極めてグレーと言わざるを得ない取引が行われていたとの結論に至ったとのことです。

仮想通貨市場全体のイメージを損なう行動

Bithumbはこの発表を受けて、取引量の増加には何の関与もしていないと否定しています。しかし、今回の疑いによりBithumbが被害を受けた2018年6月のハッキング事件も自作自演ではないかとの疑念の声が高まっています。さらには、Bithumbの取引量の変化を受けて市場全体が停滞したという声もあるほどです。Myrko氏も、「仮想通貨市場やブロックチェーンそのもののイメージまで傷つける行動だ。こうした無責任な行動のせいで、新しい分野に参入しようとしていた企業や投資家を遠ざけることになりかねない」と批判しています。