決済手段として開発されたEthereum Cash

EthereumはP2Pネットワーク上にDAppsと呼ばれるアプリケーションを開発・実行するプラットフォームです。

私たちが普段仮想通貨Ethereumと呼んでいるのは、Ethereumプラットフォーム上でアプリケーションを動かすときの手数料として使われる「Ether」という内部通貨のことを指しています。

今回紹介する仮想通貨「Ethereum Cash」はこの「Ether」に注目した仮想通貨となっています。

Ethereum

・Ethereum Cashが開発された経緯
・Ethereum Cashの特徴
・Ethereum Cashの価格推移と購入方法

Contents

Ethereum Cashが開発された経緯

本来EtherはEthereumプラットフォーム内でよりスマートな取引、コードの実行ができるように開発された仮想通貨であり、通貨としてではなく、Ethereumという汎用性の高いプラットフォームを提供するためのものであるという側面が非常に大きなものでした。

流通する対象もdAppsの開発者やコーダー、dAppsの愛好家というごく限られた層を想定しており、Ethereumの創始者であるVitalik Buterinも「Etherは通貨としてではなく、開発者のプラットフォームとなることに焦点を当てている」と述べています。

しかしEthereumプラットフォームがスマートコントラクトなどの高い機能性で評価されるようになり、時価総額でBitcoinやRippleに次ぐ3位にまで上り詰めるとEtherは本来の用途から外れ、より通貨媒体としての役割を積極的に果たすことが求められるようになりました。

そこでEthereumをベースとし、Etherを実際に通貨として、つまり商品やサービスの決済手段として使用するということのみを目的に開発した仮想通貨がEthereum Cashです。

Ethereum Cashの特徴は、大きく分けて3つあります。

それぞれについて、細かく見ていきましょう。

Ethereum Cashのブロックチェーンでは同一の取引記録をすべての利用者の個々のシステムで管理し、保有量の多い利用者がブロックを承認します。

そのためEthereum Cashではデータの改ざんや偽装は非常に難しく、安全で透明性の高い取引が実現しています。

また仮想通貨を使った決済はクレジットカードなどよりも遥かに処理速度が遅く、Bitcoinでは長いと10分も決済にかかってしまうことがあると言われています。

この処理速度の遅さはブロック生成の速度によるものなのですが、Ethereum Cashでは生成速度をなんと15秒に1度にまで縮めることに成功、高速取引を可能にしました。

Ethereum Cashでは、幅広い層でのEtherの実用化という目標のもとEthereumプラットフォーム上でdAppsの開発が進められています。

スマートフォンで簡単に使うことができる決済用のアプリを開発することで、普段のショッピングなどでも手軽にEtherを使うことが可能になります。

もともとアプリケーション開発用のプラットフォームに存在する仮想通貨のため、使いやすいインタフェースなどが揃っている点は他の仮想通貨と比べて有利だと言えるでしょう。

Ethereum Cashとは直接関係のないことですが、もしEtherem Cashに興味を持った人は「Ethereum Cash Pro」という仮想通貨に注意してください。

名前こそ似ていますが両者につながりはありません。

Ethereumn Cash Proは誰が開発しているのかも定かではなく、一見それらしい説明が書いてありますが新鮮味がなく、実態は不明です。

間違えて購入をしないよう気をつけてください。

Ethereum Cash (ECASH) price, charts, market cap, and other metrics | CoinMarketCap
Ethereum Cashは2017年10月に公開され、2018年1月に最高値を記録しますが、現在では公開時よりも低い水準で価格を推移させています。