SAFT (Simple Agreement for Future Tokens)はSEC規制を受けない投資契約

仮想通貨のための投資契約SAFT (Simple Agreement for Future Tokens)によるICOが注目を集めています。

この記事のポイント

・SAFTとは?
・SAFTのメリットは?
・SAFTによる投資契約の概念について

SAFTとは?

このシステムはProtocol Lab社が開発して、オープンソースの形で一般に公開しています。ちなみにProtocol Lab社がリリースしたFilecoinのICOは、このSAFTによって行われています。具体的には、ICOが公開された時点では投資契約だけが締結されます。つまりトークンはまだ投資家へは配布されません。ユーティリティトークン配布に関しては、完全にプロダクトがローンチされた段階で各投資家へと配られるシステムになっています。ここに投資家保護の効果が発揮されますから、MITラボやシリコンバレーでは、このSAFTを利用したICOを推奨しています。

SAFTのメリットは?

①トークン開発の進行に関わらず、必要なタイミングで迅速な資金調達が可能になる
②プロジェクトのユーティリティトークンはSECが規制するところの有価証券にあたらない(2018年12月現在では)

トークンが有価証券に該当するかどうかに関しては、SEC基準に基づいたHowey testで判断されます。そこでICO時点で完全なプロダクトが存在していて、かつプロダクトの利用に使用できるトークンはユーティリティトークンと位置づけ、こちらは有価証券の扱いを受けないとの解釈です。

SAFTは有価証券なのでSECへ登録する必要がありますが、適格投資家に限定した販売では登録が免除されます。このためSAFTは適格投資家だけが購入できる投資契約ということになります。また、SAFTでは上場ができません。そこでトークンを売却する場合は、ユーティリティトークンの配布がなされるまで待つ必要があります

SAFTによる投資契約の概念について

SAFTによる投資契約では、はっきりと投資家とユーザーが分別されます。プロダクトがない時点でのICOは有価証券投資とみなし、その場合は投資家保護のために適格投資家限定の販売が義務付けられています。ですから、この段階では一般ユーザーはコインの購入ができません。しかしプロダクトが完成して利用できる状態になれば、広範なユーザーの参加が可能となり、ユーザーは消費者保護の対応で守られるようになって、自由な取引が可能となります。