
2018年3月に投票によって海外仮想通貨取引所Binanceへの上場が決定したとして現在話題となっているのがZILLIQA(ジリカ)です。ZILLIQAは、従来の仮想通貨に比べて高速で取引を処理できる点で注目されています。
- ZILLIQAとは?
- ZILLIQAは独自の技術でクレジットカード並の高速処理を実現した
- ZILLIQAは今後も様々な機能を盛り込んで発展していく予定
- ZILLIQAの将来性は?
Contents
ZILLIQAとは?
ビットコインやイーサリアムなどが今後通貨として利用されるためには、乗り越えなくてはならない大きなハードルがあります。それは、スケーラビリティ問題です。
ブロックチェーンは膨大なデータ処理が必要なために、トランザクション処理に時間がかかり過ぎてしまいます。
BitcoinやEthereumが1秒間に処理できる取引は、わずか7〜20件ほど。一方で、世界中で利用されているVISAの場合は1秒間に5000件-24000件まで処理できるとされています。以下は、取引速度の比較画像です。

(引用:howmuch.net)
取引を処理する能力に関して、ビットコインでは圧倒的に足りないことがよくわかります。この問題を解決することを目的として開発されているのが、ZILLIQAなのです。
仮想通貨が今後現在の円やドルなどの通貨を代替していくためには、クレジットカード並みの処理能力が必要になります。
取引速度を上げるZILLIQA独自の技術とは?
ZILLIQAは、シンガポールの研究所で研究開発されている仮想通貨です。
ZILLIQAの特徴として、シャーディングという技術を初めてブロックチェーンに盛り込んでいます。この技術は、ブロックチェーンのサイズが長くなっても取引速度の遅延が起こらず取引をスムーズに行うことが可能になります。
シャーディングについて詳しくみていきます。
シャーディング
シャーディングとは、英語で”sharding”、日本語で”分割”を意味します。ブロックチェーンの処理を行うノードをグループ毎に分割して、処理を分担させるという技術です。これにより、ノードが増えれば増えるほど、シャーディングによって処理もより多く分散されるので取引が早く終わるようになります。
現在、ビットコインのノードが11000個あり、イーサリアムはおよそ25000個のノードを持っています。 ZILLIQAはシャーディングによって600ノードずつ分割するような仕様になっており、実験段階で、1800ノードを使って秒速1218回の取引に成功しています。
さらに、ノードの数を3600まで増やすことができれば、取引速度は秒速2488回まで上昇するようです。 ノードが増えるごとに取引速度が指数関数的に増加していることが見て取れます。

(引用:https://zilliqa.com/about-us.html)
将来的にはスマートコントラクトも実装予定
ZILLIQAは、今後さらに技術革新が行われる予定です。イーサリアムが有するスマートコントラクトを実装する予定で、シャーディングによってより早い取引速度を持つスマートコントラクトを実現しようとしています。
スマートコントラクトが実装されれば、ZILLIQAのブロックチェーン上 で分散型アプリケーションを実行することが可能になります。
ZILLIQAの公式ページによると、オークションや科学計算のためのアプリーケションなどもZILLIQAのブロックチェーンでサポートできると述べられています。
ZILLIQAの将来性は?
ZILLIQAの技術は将来的にイーサリアムの採用の予定で、技術的に最先端を走っていることがわかります。
仮想通貨の取引速度は大きな課題となっている現状で、実験段階ではありますが、クレジットカード並みの処理速度を持つZILLIQAは非常に将来性がある通貨と言えるでしょう。
今後の注目していくべき点は、スマートコントラクトが実装されることにあると思います。シェーディングを使ったZILLIQAのブロックチェーン上でスマートコントラクトが実行されたことはまだなく、今後グループ毎に分けたノードのセキュリティ問題など議論すべき点が多々あることが現状です。
まとめ
この記事では、ZILLIQAについて詳細をみてきました。
仮想通貨の取引速度という世の中での実用化を考えると非常に重要な技術の最先端をいく仮想通貨であり、実用化されれば現代社会の多くの取引が代用されるのではないかと思われます。
イーサリアムがこの技術の採用を検討していることもあり、今後の開発の進捗が楽しみな通貨です。