仮想通貨はシャリーア・コンプライアンスに反するか




シャリーア・コンプライアンスとは、金融、株式、保険などビジネスで用いられるイスラム法のことです。利息を取ってお金を貸すことや投機的な投資を禁ずるコーランの教えがあるため、一部のイスラム法学者のなかには、仮想通貨はシャリーア・コンプライアンスに反するものと考える人もいます。しかし、イスラム社会でも徐々にブロックチェーン技術は広がっています。

仮想通貨とシャリーア・コンプライアンスについて

・イスラム社会で意見が分かれる仮想通貨
・ブロックチェーン技術を採用するイスラム金融会社は増えている
・実際に仮想通貨を取り入れるイスラム国家も

イスラム社会で意見が分かれる仮想通貨

イスラム金融に詳しい人のなかには、包括的かつ民主的な金融市場の実現可能性を秘めるとして仮想通貨を評価している人もいます。ムスリムの多くは銀行口座を持っていませんが、仮想通貨ならイスラムの教えとも矛盾せず、イスラム社会に恩恵をもたらすのではないかとのことです。しかし、仮想通貨の支持派もいる一方で、一部のイスラム指導者や法学者は仮想通貨に対して声高に反対の意を述べています。ボラタリティの激しい仮想通貨には、ギャンブル的な側面が強いと考えられるからです。しかし、2018年、仮想通貨はシャリーア・コンプライアンスに反しないという報告書がイスラム法学者から提出されました。

ブロックチェーン技術を採用するイスラム金融会社は増えている

イスラム社会においても意見が分かれていますが、徐々にイスラム金融の企業はブロックチェーン技術の採用を開始しています。ブロックチェーン技術を用いれば、異なるシャリーアに従う金融機関同士が合理的な取引ができるのではないかと考えられているからです。クラウドファンディングやモバイル決済、P2Pによる融資などは、イスラム指導者と金融専門家ともに受け入れられており、仮想通貨も、銀行口座のないムスリムが金融市場とつながる手段になるのではないかと期待されています。

実際に仮想通貨を取り入れるイスラム国家も

実際、サウジアラビアやUAEでは、すでに仮想通貨を公共料金の支払い手段に採用したり、仮想通貨取引を行ったりしています。また、トルコやイランなどでも、国家が率先して仮想通貨を発行していこうという動きがあります。ただし、ICOについては、その不確実性の高さがギャンブル的要素が強いとして、シャリーア・コンプライアンスに反するという見方があります。