ブロックチェーンは仮想通貨に用いられている技術ですが、医療データ管理への応用が期待されています。
医療データが分散していると患者に不利益になる
現在、患者が医療機関で受けた検査や治療記録は、基本的に治療した医療機関のみ参照できる状態です。
たとえば「歯を治療した記録は歯科医院」「視力について相談した記録は眼科医院」という具合に、情報が各医療機関に分散して保持されています。
しかも、医療データは各医療機関が独自のファイルで保存しているため、別の医療機関と情報を共有してもうまく活用できないこともあります。
ブロックチェーンで医療データを一括管理できる
近年、より適切な治療ができるよう、ブロックチェーン技術を使って医療データを一括管理しようという動きが出ています。
ブロックチェーン技術には、誰でも参加できる「パブリック型」と、特定の人しか参加できない「プライベート型」の2種類あります。仮想通貨は「パブリック型」を用いています。
医療データは、より安全性の高い「プライベート型」で管理するのが適当でしょう。ブロックチェーン技術を用いると、「データへアクセスした人」や「データを変更した人」が記録されます。
エストニアは医療データをブロックチェーンで管理
「世界最先端の電子国家」と言われるエストニアは、行政サービスの99%が電子化されています。医療データもブロックチェーン技術を用いて管理しています。
なお、エストニアはプライベート型のブロックチェーン技術を応用して医療データを管理しています。医療データは国全体で共有しているので、どこの病院に行ってもスムーズに治療を受けられます。
また、患者は患者用ポータルサイトで自分の健康状態を確認できるのに加え、誰が自分の医療データにアクセスしたかも確認できます。
まとめ
ブロックチェーンは「不動産登記」「著作権管理」「電力売買」など、多くの分野に応用されています。
医療データにも応用されれば、より適切な治療を受けられるようになりそうですね。