自動車メーカーのポルシェがブロックチェーン環境を活用

 

この記事のポイント

■ブロックチェーン環境を利用して融資を受けた
■BBVAの分散型台帳技術を用いたプラットフォームの利用
■ヨーロッパおよびアジアの販売店拡大を目的

高級自動車メーカーのポルシェがブロックチェーンを使って融資

ポルシェと言えば、高級自動車メーカーとして知られています。そのポルシェが、ヨーロッパおよびアジアへの販売店拡大を目的とした分散型ネットワークを普及させるために、スペインの大手銀行BBVAから融資を受けたと発表しました。しかし、ただポルシェがスペインの銀行から融資を受けただけでは、これほど大きな話題にはならないでしょう。世界中から注目されている理由は、その融資を受けた方法というのが、BBVAが提供している分散型台帳技術を用いたプラットフォームを介して融資を受けたからなのです。

この融資実行に用いられたプラットフォームは、ブロックチェーン技術を使って実行された買収資金融資としては世界初となり、まだ実用化されたものではなく、パイロット版だったようです。そうした点もまた、世界各国から注目を集めた大きな理由だったのかもしれません。

ブロックチェーン技術にBBVAが期待すること

ポルシェへBBVAが行った融資は、戦略的買収を支援するための長期ローンで、金額は1億5000万ユーロと言われています。BBVAでは、ブロックチェーン技術を業務に活用することによって、改ざんやトレーサビリティを難しくしてくれるというメリットが期待できるだけでなく、取引や業務処理の安全性を高め、透明性をアップするなどのメリットを期待しています。

BBVAでは、ポルシェ以外も取引のある企業を顧客として、DIY金融財政モデルを推進しています。分散化を進めることによって各企業は飛躍的なビジネス効率化や工場が期待できると考えているようです。

ヨーロッパ全域で広がるブロックチェーン技術

ブロックチェーン技術に関しては世界中の国が注目していますが、特にヨーロッパにおいてはブロックチェーンを実用化しようという動きが加速しています。EUでは、2019年度からブロックチェーン技術発展のためのIATBAという機関が発足しますが、これはEUの制作執行機関である欧州委員会が、EU圏内の銀行との連携によって生まれた機関です。この機関は、EUにおけるブロックチェーンを統合し、リードする存在になると考えられているようです。ちなみに、このIATBAのメンバーには、ポルシェへ融資を行ったBBVAも含まれています。