分散型技術の非営利団体「Distributed Technologies Research(DTR)」

Distributed Technologies Research(DTR)は、分散型技術を研究・開発するために設立された非営利団体です。ビットコインよりもスケーラビリティに優れる次世代の支払いネットワークとして、2019年1月、「Unit-e」をリリースしました。

DTRについて

・分散型技術の研究開発団体
・高い処理能力を持つ「Unit-e」をリリース
・研究成果はすべて公表する方針

分散型技術の研究開発団体

Distributed Technology Research(DTR)とは、分散型技術の研究を行うアメリカの大学に研究資金を提供しているスイス拠点の非営利団体です。分散型技術こそが来たる時代の中核を担うことになるというミッションのもと設立され、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学など、アメリカでもトップレベルの大学から多くの研究者が集結しています。これまで、ブロックチェーン関連の研究に多額の資金を提供してきました。ビットコインが誕生して10年が経つものの、スケーラビリティの問題はいまだ解決されていません。そこで、DTRでは、特にブロックチェーンのスケーラビリティに焦点を置いた研究に力を入れています。

高い処理能力を持つ「Unit-e」をリリース

こうした研究の成果として生まれたのが、2019年1月17日にホワイトペーパーが正式リリースされた分散型ネットワークの「Unit-e」です。多様な分野に応用可能なブロックチェーン技術ですが、やはり今必要とされているのは支払いシステムへの応用ということで、「Unit-e」は高いトランザクション処理能力を有したアプリケーションとして誕生しました。処理できるトランザクションは1秒間に1万件であり、クレジットカードよりはるかに優れています。DTRによると、2019年後半には「Unit-e」ネットワークを立ち上げ、発売に漕ぎ着けたいとのことです。しかし、資金を提供しているパンテラ・キャピタル社のCIOでDTRの評議会メンバーでもあるJoey Krug氏のように、実用性がどう判断されるかまだわからないと慎重な姿勢を取る人もいます。

研究成果をすべて公表する方針

DTRは、ブロックチェーン技術の研究成果はすべて公表する方針で運営されています。実際、研究成果の一部はすでに10本以上の論文にまとめられており、今は専門家の査読を待っている段階です。こうして研究成果を公表することで、世界中のトップレベルの研究者たちが共同研究に興味を持つことになり、その結果、研究開発のペースがいっそう早まるのだと言います。