メディチ・ランド・ガバナンス、ザンビア政府とブロックチェーンによる土地登記に関するMoUを交わす

この記事のポイント

・オーバーストックの子会社メディチ・ランド・ガバナンスがザンビア政府とブロックチェーン土地登記システムの開発について覚書を交わした
・発展途上国では、土地に関する財産権を保証する制度が確立されていないケースが多く、犯罪の温床ともなっている
・土地所有の権利を管理するシステムとしてブロックチェーンの利用が世界的に注目されている

2018年7月31日、アメリカの大手アウトレット販売サイトを運営するオーバーストックが、ブロックチェーンを用いた土地の登記について、ザンビア共和国と覚書(MoU)を締結したと発表しました。

この覚書は、オーバーストックの子会社であるメディチ・ランド・ガバナンス(MLG)がザンビア共和国政府と土地所有権の管理体制を整備するというものです。これまで所有する土地の登記が行われていなかった郊外の土地所有者は、このシステムによって自身の土地所有を合法化することができるようになり、彼らと金融業界のつながりを作る役割を果たします。

途上国における財産権の欠如の問題

発展途上国では、財産権が保証されていないことが多く、その問題が経済発展を妨げる要因となっていると言います。その理由は、土地所有者が土地を奪われることに対する保護政策が進んでいないケースが多いこと、所有権を証明する手段がなく、起業家が金融機関等に対し融資を願い出ても申請が通らないこと、土地所有権が曖昧なために税収や都市の開発計画に支障をきたすことがある、と言った事柄を上げることができます。また、このような状況が放置されることで、政治家の腐敗や詐欺と行った行為が横行する土壌を生んでしまっているとも言えます。

途上国向けの資金・技術の援助を行う世界銀行は、メディチ・ランド・ガバナンスと協力し、「tZero」という独自のブロックチェーンプラットフォームを利用し、発展途上国に土地登記のためのシステムを構築することで、この問題に取り組んでいくとしています。

世界中で増加するブロックチェーン技術による土地管理プロジェクト

ブロックチェーンを利用して土地管理のシステムを構築するプロジェクトは、ここ数年の間に世界中で見られるようになっています。それは、このシステムが土地の所有権にまつわる問題の優れた解決法であるからと言えます。世界で4番目に大きい資産を持つ中国農業銀行も、ブロックチェーンを用いて裏付けられた土地のローンを発行しています