ITにも力を入れるDMM.comがマイニング事業からの撤退を表明

 

ITにも力を入れるDMM.comは、2018年2月より金沢市でマイニングファームの運用を始めていましたが、2018年12月にマイニング事業からの撤退を表明しました。2019年春に開設が予定されていた仮想通貨販売所の「cointap」も、収益の回収が困難との判断からすでに中止が発表されていましたが、今回のマイニング事業からの撤退はそれに続いた形となります。

DMM.comのマイニング事業について

・国内に大規模マイニングファームを開設
・マイニング事業からの撤退の理由
・今後はDMM Bitcoinに絞るのか

金沢に大規模マイニングファームを開設

DMM.comは、2018年2月、金沢市に大規模なマイニングファームを開設しました。通常、マイニングは電力コストの低い海外で検討されることが多いですが、DMM.comはあえてコストのかかる国内でマイニングファームを運営することを決定したのです。その理由は、大量のマシンがマイニングのために稼働する非日常的な様子を一般の人に見学してもらうというものでした。また、当初、同社は収益にも自信を見せており、仮想通貨の相場が高値で推移するなら国内でも十分な利益が出ると考えていました。

マイニング事業からの撤退の理由

ところが、それ以降、市場全体で仮想通貨が右肩下がりを続けているのはご存知の通りです。さらに、停滞を続ける相場に反して、ハッシュレートは上昇を続けています。つまり、マイニングで得られる報酬が下がる一方で、マイニング自体の難易度がどんどん高くなっている状況です。そのため、DMM.comだけでなく、国内ではGMOもマイニング事業から撤退し、さらに相場が下がって以降は、世界中のマイニング業者に影響が及んでいます。世界の大部分のマイニング事業者が一時的に収益を悪化させたわけですが、電力コストのかかる日本国内で運営していたDMM.comがなかでも大きな影響を受けた恰好です。今後、相場の回復やマイニングのディフィカルティの低下が起これば、また収益が期待できることも考えられますが、現状の厳しい状況ではこれ以上続けることは得策でないと判断したのでしょう。

今後はDMM Bitcoinに絞るのか

DMM.comは今後、仮想通貨関連事業を、すでに運営している仮想通貨取引所の「DMM 」に一本化させると見られます。実際、取引所の動きは活発であり、新規顧客を増やすためのキャンペーンも展開している状況です。マイニング事業から撤退しても、まだまだDMM.comが国内の仮想通貨業界の中心にいることに変わりはありません。