仮想通貨取引所「Huobi」との業務提携を中止したSBIバーチャル・カレンシーズ(SBIVC)

 

SBIバーチャル・カレンシーズ(SBIVC)は、仮想通貨の交換・取引サービスを提供するSBI ホールディングス株式会社の100%子会社です。2018年1月に取引高世界第2位の仮想通貨取引所「Huobi」と資本・業務を提携すると発表しましたが、そのわずか2カ月後に提携中止を発表しました。

SBIバーチャル・カレンシーズ(SBIVC)について

・実績十分のHuobiとの業務提携を発表
・わずか2カ月で提携中止を発表
・サービス開始が2018年6月まで遅れる

実績十分のHuobiとの業務提携を発表

SBIバーチャル・カレンシーズ(SBIVC)は、2017年9月に金融庁に仮想通貨交換業者としての登録を完了しました。翌10月には先行予約を開始し、すぐにでもサービスが開始されると思われていましたが、セキュリティ対策などに一定の時間が必要との判断から、サービス開始の延期を余儀なくされています。そんな折、2018年1月に中国の仮想通貨取引所「Huobi」との提携が発表されました。SBIグループ自体は金融分野をリードする存在ですが、仮想通貨分野のノウハウは不足しています。そのため、システムの整備やセキュリティの強化などの取り組みの一環として、中国で安定した運営実績を上げているHuobiと提携することを決めたのでした。

わずか2カ月で提携中止を発表

ところが、それからわずか2カ月後の2018年3月9日、SBIVCはHuobiとの提携を中止することを発表します。その理由としてSBIVCが挙げるのが、セキュリティ強化が求められる昨今の状況や国内外での規制強化に速やかに対応できるよう、柔軟な開発体制を自社で構築する方が望ましいことと、SBIグループのリソースを活用することで十分なセキュリティとシステムを構築する目処が立ったことです。

サービス開始が2018年6月まで遅れる

SBIVCによると、Huobiとの業務提携中止の影響は軽微としていました。ただ、2018年の年明けにサービス開始の予定だったものの、1月中はβ版として一部顧客に限定する形で開始されたに過ぎず、2月末には、より一層のセキュリティ対策や資産・顧客の管理態勢の強化を理由に、さらなる時間を要するとしてサービス開始を延期しています。金融庁の動きなどの影響も考えられますが、今回のHuobiとの提携中止が多少なりとも影響した可能性は否定できません。その後、2018年6月4日に至ってようやくサービス開始の運びとなっています。