アメリカの分散型取引所「EtherDelta」の創設者がSECに起訴される

 

アメリカの分散型取引所「EtherDelta」の創設者が、米国証券取引委員会(SEC)によって、有価証券であるトークンを無認可で発行したかどで未登録証券取引所運営として起訴されたことが報じられました。

EtherDelta創設者の起訴について

・一部のトークンを許可なく発行していたことが原因
・創設者が罰金を払って和解
・全米で仮想通貨取引所の取り締まりが本格化する模様

一部のトークンを許可なく発行していたことが原因

EtherDeltaとは、管理者が不在で運営される分散型取引所の一つであり、スマートコントラクトを用いることで取引を可能にしているのが特徴です。ただ、一部のトークン(DAOなど)は有価証券とみなされるため、取引所サービスを提供する会社はSECに登録して認可を受けなければなりません。SEC執行部のStephanie Avakian氏によると、「(EtherDeltaは)オンライン証券取引所の機能とユーザーインターフェースを備えているため、SECに事前に登録する必要があった」と語っています。SECはこれまで証券取引法違反の可能性があるICOについて厳しく取り締まっていましたが、どうやら最近は仮想通貨取引所の調査に力を入れているようです。今後はアメリカ国内のすべての取引所に影響が及ぶと考えられます。

創設者が罰金を払って和解

今回の件は、EtherDeltaの創設者であるZachary Coburn氏が罰金を払うことで和解しましたが、Coburn氏の払った金額は、差し戻しに30万ドル、判決前の利息分1万3000ドル、罰金の7万5000ドルと膨大なものになりました。SECが問題視したトークンは2017年7月12日~12月17日の間に取引された分ですが、Coburn氏は2017年中にEtherDeltaを離れているにもかかわらず起訴されたことで業界内外に衝撃を与えています。

全米で仮想通貨取引所の取り締まりが本格化する模様

分散型取引所は、これまでその活動の責任を誰も負わないと考えられていましたが、今回のことから通常の仮想通貨取引所と同じように責任が追求されることがわかりました。ニューヨーク大学のAndrew Hinkes副教授は、「分散ネットワークで運営されていても、責任がなくなるわけではない」と語っていますし、Monaxの代表のPreston Byrne氏も「たとえ事業を売却して数年経っていても、アメリカの証券法は適用される」との見解です。今後は、仮想通貨取引所に対するSECの取り締まりが本格化すると見られています。