南アフリカ共和国中央銀行SARBのKhoKhaとは

世界には仮想通貨に友好的な国とそうでない国とがあります。日本は比較的仮想通貨に友好的な国ですが、世界的には仮想通貨を規制する動きが主流です。しかし友好的な国の中には国の中央銀行に仮想通貨を取り入れようという試みも行われています。代表的な例が南アフリカ共和国の中央銀行SARBです。

この記事のポイント
・南アフリカ共和国はアフリカ諸国でもっとも仮想通貨に友好的
・SARBは決済スピード向上のためKhoKhaの実験に成功
・SARBの実証実験は続いていく

南アフリカ共和国はアフリカ諸国でもっとも仮想通貨に友好的

南アフリカ共和国はアフリカ諸国の中でも特に仮想通貨に友好的な姿勢を示しています。フランスで提出された報告書の中でもそのことが言及されています。アフリカ諸国は現在経済成長が著しく、資産を投資に回すことができるようになった人々が仮想通貨に参入しているのです。その中でも南アフリカ共和国ではビットコインATMや利用者が200万人を超えるとされる巨大な仮想通貨取引所Lunoがあります。まさに仮想通貨の新たな市場と言えるのです。

SARBは決済スピード向上のためのKhoKhaの実験に成功

南アフリカ共和国の仮想通貨への有効姿勢は中央銀行SARBでも明らかです。SARBは決済スピード向上のためにKhoKhaという銀行間決済システムの実験を行いました。このKhoKhaというプロジェクトはイーサリアムをベースとしたネットワーク上で、KhoKhaに協力する銀行が作った分散型台帳によって仮想通貨の取引を行うことが可能になりました。この実験成功によって、全体の95%の取引が1秒未満、さらに99%の取引が2秒以内に行われるという驚異のスピードを達成したのです。

SARBの実証実験は続いていく

SARBの実験によってすさまじい量の取引を短時間で処理することが可能になりました。すぐにでも実際の業務に応用したいところですが、まだ実証実験は続いていきます。金融インフラの原則は維持されつつも、セキュリティやプライバシーなどの問題は依然として残っているからです。SARBでは今後も実験を重ね、KhoKhaよりもさらに高い目標を設定することにより、素早く安全に正確な取引が行えるシステムの構築を目指します。アフリカ諸国では日本やヨーロッパのような規制がまだないため、仮想通貨の技術開発のスピードが速くなっています。今後もSARBを含め、アフリカ諸国でどんな技術が開発されるのか楽しみです。