不動産をトークン化するHarborの狙いとは?

 

仮想通貨カストディアンのBitGoと提携したことで話題となった企業がHarborです。

・Harborはイーサリアム由来のERC20を基としたR-Tokenを開発
・R-Tokenを使って、Harborは不動産などをトークン化するプラットフォームを提供する
・不動産以外の資産もトークン化して機関投資家から注目されている

果たして、Harborの真の狙いとは何なのでしょうか?検証します。

流動性の少ない資産を流動させるHarborの技術

今まで不動産投資やREIT(不動産投資信託)の場合、様々な問題点が指摘されていました。そもそもその名前が示すとおり、不動産とは流動性が無い資産です。従って、限られた狭い範囲でしか投資を募ることができず、資産として流通させるためには仲介業者やブローカーの手を介する必要がありました。そのため、投資された金額はその不動産の実際の価値より低い金額にならざるを得ませんでした。その問題点を、ブロックチェーンの技術によって解決しようとしているのが、Josh SteinをCEOとするHarborです。

Harborは、イーサリアムのERC20プロトコルを使い、スマートコントラクト機能を実装したR-Tokenを開発しました。このR-Tokenに不動産などの契約情報を載せ、不動産を私募証券化することで、流動性が高く仲介業者を介さない取引プラットフォームを提携するのです。

これからの金融市場で注目されるHarbor

Harborの技術は不動産取引だけではなく、絵画や美術品などの私募証券化にも応用できる技術です。この技術はこれからの金融市場において注目され始めています。そのきっかけとなったのが、仮想通貨カストディアン大手のBitGoとの提携です。

Harborの作り出す私募証券の市場は、所有した資産の管理や保管などセキュリティが最大の問題でした。そこに、仮想通貨カストディアンであるBitGoの技術が取り入れられるとすると、問題点が一気に解消します。さらに、BitGoは2018年10月に、証券大手のゴールドマン・サックスから巨額の融資を受けたとして話題になりました。

ゴールドマン・サックスは仮想通貨カストディアンであるBitGoの技術に注目するとともに、Harborの持つ資産の私募証券化市場の将来性にも期待を寄せているのです。これからの資産形成や取引において、Harborが開発したR-Tokenがスタンダードになる日も近いことでしょう。