仮想通貨は証券か?ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzによる主張を紹介

アメリカ合衆国では仮想通貨がどういった枠組みで扱われるべきか、多くの機関や企業が議論を戦わせています。

ある企業は仮想通貨は金融商品であると主張する一方、別の企業は証券であると主張しています。

仮想通貨がどういった枠組みに入るかによって市場での扱いや、現在の仮想通貨市場のあり方そのものが大きく変化するので、アメリカでの論争は非常に注目をすべき事柄でしょう。

今回紹介する「Andreessen Horowitz」は、仮想通貨を証券という枠組みから外そうと主張する企業のひとつです。

Andreessen Horowitzとは


Andreessen Horowitzは2009年に設立されたベンチャーキャピタルです。

ベンチャーキャピタルは投資ファンドの種類のひとつで、普通の投資ファンドよりもアグレッシブに投資を行うことで利益を得ようとします。

Andreessen Horowitzは10年の歴史もない若い企業ですが2009年から2013年にかけて2番目に積極的な投資を行った、非常に勢いのある企業として知られています。

FacebookやUber、AirBnBといった名高い企業へ初期投資を行っており、数十億ドル(数兆円)規模のスタートアップを生み出してきた実績があります。

Andreessen Horowitzは仮想通貨関連にも積極的な投資を行っており、その投資額は2018年6月時点で総額590億円にも及ぶうえ300億円を費やし、仮想通貨関連に特化した投資ファンド「a16z 」も立ち上げました。

ここ5年の間でも20件もの仮想通貨関連のプロジェクトへ投資をしているなど、停滞気味の市場にあっても積極的な投資を行うスタイルを崩していません。

Andreessen Horowitzの主張


仮想通貨は長く有価証券に分類されるかどうか世界各国で議論を呼んでいます。

アメリカでは米国証券取引委員会(SEC)という組織が証券取引の監督や監視について大きな権限を有しており、もし仮想通貨が証券とみなされた場合には取引所は認可が必要となり、現在のような自由な取引は制限されてしまう恐れがあります。

Tezos財団もスイスでICOを行いましたが、アメリカの投資家にトークンを販売したために「SECへ未登録の証券を発行した」という疑いをかけられ、集団訴訟を起こされました。

現在も仮想通貨がどういった枠組みに入るかは議論が続いていますが、現在ではICOで販売されるトークンが有価証券に該当するかを判定する「Howeyテスト」が考案され、実際に基準として使われるなど、仮想通貨の側から証券という枠組みから外れようとしています。

もし仮想通貨が有価証券であると決まってしまえば、SECの制限によってAndreessen Horowitzは利益を得られる機会を逸してしまう恐れがあるため、積極的なロビー活動を行い、仮想通貨が証券という枠組みが外れるよう注力しています。

しかし一方で仮想通貨はセキュリティ面などが課題となっており、もし有価証券として認められれば、投資家保護などの規則によって、投資家は現在よりも安全に仮想通貨への投資を行うことができるようになるでしょう。

仮想通貨がアメリカでどういった扱いとなるかは、今後も予断を許さないこととなりそうです。