Plasmaはスケーラビリティ問題解決の切り札となるか?

Plasmaとは、Ethereumの開発者であるジョセフ・プーンが、スケーラビリティ問題を解決するべく開発した技術です。

この記事のポイント
  • Ethereumはスケーラビリティ問題を抱えている
  • Plasmaは1秒間に数十億万回ものトランザクションを可能にする
  • Plasmaの問題点を改善するPlasma Cashも開発されている

果たして、PlasmaはEthereumを救う切り札となりえるのでしょうか?その詳細を調べてみました。

Plasmaとはどのような技術なのか?

(画像引用: https://www.youtube.com/watch?v=pYj9ZUaiRIU)

Ethereumは、Bitcoinに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨です。そのプラットフォームは様々なアルトコインの生成に利用されることもあるため、現在、存在する仮想通貨の裏にはEthereumのブロックチェーンが稼働していることが多々あります。

取引量が多くなると、Ethereumブロックチェーンにおける処理に時間がかかるようになり、スケーラビリティ問題が発生するようになってきています。

スケーラビリティ問題とは?

スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンのブロックサイズが決まっていることから一度に取引できる量が制限されており、取引量が増えると送金に時間がかかる、送金要求が承認されない、取引手数料が高くなるなどの問題が発生する状況のことを指します

このスケーラビリティ問題を解決するため、Ethereum開発者のジョセフ・ブーンが新たに導入しようとしている技術がPlasmaです。

従来のブロックチェーンは、文字通りブロックがチェーン(鎖)状に連なっていてその全てのブロックを検証しなければ取引が認証されない構造でした。ですので、ブロック生成に時間が必要となり、スケーラビリティ問題につながります。

一方、Plasmaは幹となる親チェーンから派生する枝のように子チェーンが繋がっています。子チェーンから必要な情報だけを適切な時間に親チェーンに送ることによって、取引速度低下の原因となる親チェーンとのやりとりを最小限にして、トランザクションの効率化を図っています。

現在のイーサリアムは1秒間に約15回の取引をすることができます。Plasmaを実装することによって、なんと1秒間に数十億回もの取引処理を可能にすると言われています。Plasmaが導入されれば、取引速度問題が一気に解決するであろうと期待されているのです。

参考

ジョセフ・プーンがPlasmaの取引速度に述べている動画と記事を参考として載せておきます。

Ethereum scaling solution, Plasma, could facilitate ‘billions of transactions per second’ » Brave New Coin
The architect known for conceptualizing the Lightning Network, an off-chain scaling solution for , has done it again. On August 8, Joseph Poon, and ’s Vitalik Buterin, published a white paper titled Plasma: Scalable Autonomous Smart Contracts.

 

Plasmaのデメリットを解消するPlasma Cashとは?

(画像引用: https://www.coindesk.com/vitalik-reveals-new-idea-plasma-scaling-ethereum-event/)

画期的な技術であるPlasmaにもデメリットがあります。親チェーンから分離した子チェーンですが、この取引を監視するためにはユーザーが子チェーンのすべてをダウンロードする必要があるのです。

これでは再び、処理速度にネガティブな影響を与えます。

それを解決するために考え出されたのがPlasma Cashです。Plasma Cashは、子チェーンに関連付けられた項目を大幅に圧縮して、データ量を減らしています。

データ量を減らしながらも、取引の追跡可能であり盗難防止の効果も持っています。この特徴から、Plasma Cashにさらに注目が集まっているのです。

まとめ

この記事では、PlasmaとPlasma Cashというスケーラビリティ問題を解決する技術をご紹介しました。従来のブロックチェーンを使うことを極力減らし、子チェーンと親チェーンのやりとりを効率的に行うことによってブロックチェーン技術が持つ課題をクリアすることができます。

まだ実用化はされていないですが今後の技術アップデートによって、今とは比較にならないほどの取引速度を実現することができるでしょう。