今回は、今年6月にシステムの試験運用を開始したTezosについて解説します。

メインネットに切り替わるのは3週間後の予定
今年6月、Tezos Foundationは試験用のベータネットが始動したと発表しました。
ただ、あくまで試験段階なので、エラーなどで中止する可能性もあります。生成したブロックが約29,000に到達したとき、メインネットに切り替わる予定です。
ベータネットで運用されている間は、「バッキング(Backing)」の成功報酬は支払われません。
・新規取引を分析して、ブロックチェーンを作成する作業

幾多の苦難を乗り越えたTezosプロジェクト
昨年7月、Tezosはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)で257億円もの莫大な資金集めに成功しました。そこまでは良かったのですが、そのあと内部紛争が起こりました。
紛争の原因は、エンジニアのArthur BreitmanとKathleen Breitman夫妻が、Tezos Foundationの元社長Johann Geversの解任を要求したことです。
Breitman夫妻がJohann Geversの解任を求めたのは、彼が賃金未払いなどの問題を起こしたためです。結果的にJohann GeversはTezos Foundationを去り、Ryan Jespersonが後継者になりました。他にも役員が数名入れ替わりました。
この一連の騒動でプロジェクトの開発は滞り、投資家からは複数の集団訴訟を起こされました。

Tezos Foundationの未来
一時はプロジェクトの続行を危ぶまれたTezosですが、どうにかベータネットの始動までこぎつけました。
Tezosを率いるRyan Jespersonは、「Tezosの未来は、コミュニティの手に委ねられています。我々は、この革新的なプロジェクトが成功するよう、関係者をサポートしていきます」と語っています。
またRyan Jespersonは、「Tezos Foundationは、今後助成金に重点を置きます」と発表しています。たとえば、ブロックチェーン技術とスマートコントラクトの開発のため、コーネル大学など4機関に資金援助しています。

まとめ
莫大な資金を集めたことや、内紛で集団訴訟を起こされていることなどから、世界的に注目されているTezos。
ベータネットが始動したことで、胸を撫で下ろしたTezosの投資家も多かったことでしょう。
今後も企業再生のスペシャリストRyan Jespersonの経営手腕に、世界中の投資家の注目が集まりそうですね。