ユーザーに資金の返還裁判を起こされていた仮想通貨取引所運営のBitsy Korea.com

 

Bitsy Korea.comは、「Bithumb」という韓国最大の仮想通貨取引所運営の企業です。取引量世界1位を記録したことがあるほどの大規模取引所ですが、2017年にはハッキングにより大量のユーザーの個人情報が流出する被害に遭ったこともあります。そのハッキングが原因で資金を失ったとしてユーザーに裁判を起こされていましたが、2018年12月、原告の主張が退けられ、Bitsy Korea.comが全面勝訴しました。

Bitsy Korea.com運営のBithumb

・韓国最大の仮想通貨取引所
・ハッキングによりユーザーの個人情報流出
・資金の返還裁判に勝訴

韓国最大の仮想通貨取引所

Bitsy Korea.comが運営するBithumbは、2013年から運営していた仮想通貨取引所「」を母体とします。2015年6月に現在の名称に変更し、通貨の種類の豊富さと手数料の安さなどでユーザーを拡大していきました。取引量は年々増加しており、1日1000億円以上の取引量を記録することもあります。ユーザー数80万人以上を擁する韓国最大の仮想通貨取引所です。

ハッキングによりユーザーの個人情報流出

2017年7月、Bithumbはハッキングによって大きな被害を受けました。ユーザー3万人分の個人情報が盗まれ、親会社のBitsy Korea.comには5800万ウォンもの罰金が科されました。Bitsy Korea.comによると、ハッキングを受けたのは本社のサーバーではなく社員個人のPCで、ユーザーのパスワードは盗まれていないと主張しています。ただ、この件で、ユーザーからハッキングによって盗難に遭った資金の返還を求めて裁判を起こされていました。原告の主張によると、2017年11月に何者かにアカウントが乗っ取られ、約4億ウォンを不当に引き出されたとのことです。Bithumbのセキュリティ体制に過失があったのが原因と主張しています。

資金の返還裁判に勝訴

2018年12月、原告の主張は退けられ、Bitsy Korea.comの全面勝訴で決着しました。裁判所によると、仮想通貨はおもに投機目的のものであり、決済手段として認められないため、Bithumbに金融機関と同等のセキュリティは求められないとしています。また、被害にあったユーザーのアカウントは、先のハッキングではなくフィッシングサイトなどで盗まれた可能性もあると指摘しています。また、Bithumbは、SNSを使った二段階認証を経た正当な手続きで出金に応じていたため、過失は認められませんでした。