「Hyper ledger Fabric」とは、Linux財団によるHyperledgerというブロックチェーンプロジェクトにおいて開発されるブロックチェーン基盤です。ネットワークの参加者を限定できるなど、ビジネスでのユースケースを意識した設計がなされています。オープンソースで誰もが利用可能です。
Hyper ledger Fabricについて
・多くの企業が参加するグローバルなプロジェクト
・ビジネスを意識した設計
・金融分野以外にもさまざまな用途に応用可能
多くの企業が参加するグローバルなプロジェクト
ブロックチェーンとは、ネットワークに接続される多くのコンピュータが分散してデータ管理を行い、高性能の大きなシステムに匹敵する機能を実現した技術です。データを変更できない形で保持するためのデータベースでもあります。LinuxのHyperledgerプロジェクトは、多くの企業や団体が参加して、共同でブロックチェーンを基盤にした技術の検証や開発を行うグローバルなプロジェクトです。富士通、MUFG、IMBなど30以上の組織が参加しています。
ビジネスを意識した設計
Hyper ledger Fabricも、Hyperledgerプロジェクトで開発が進められているブロックチェーン基盤の一つで、ビジネスにフォーカスした設計になっているのが特徴です。ビットコインなどに用いられるブロックチェーン技術は、通貨としての機能を持たせるために、不特定多数のユーザーを対象にしています。一方、ビジネスでは、不特定ではなくお互い知っている者同士での契約が大多数ですので、ビットコインに用いられるようなブロックチェーンは適していません。そこで、Hyper ledger Fabricでは、参加者を登録制にし、証明書の発行や権限を持つメンバーの設定など、ビジネスのユースケースを意識した機能が実装されています。参加者個々が持つ証明書によってトランザクションが暗号化されるのが特徴です。
金融分野以外にもさまざまな用途に応用可能
また、ビットコインやイーサリアムと違って、Hyper ledger FabricにはBTCやETHのような通貨単位が存在していません。単に仮想通貨に限らず、分散型台帳というブロックチェーンの特徴を多様なソリューションの基盤として活用できるようになっているため、金融分野以外のさまざまな用途に応用できるのが大きなメリットです。2020年に予定されるNASAの航空交通管理の新システムにも、Hyper ledger Fabricが導入されています。