仮想通貨TezosはObsidian Systemsという会社によって開発されました。
Bitcoinと比較して独自の特徴を持つTezosは大きな注目を集めています。
この記事ではそんなObsidian Systemsについて、Obsidian Systemsの提供するベーキングというシステムについて、そしてよりTezosの価値を高めるために行った施策について紹介します。
Obsidian Systemsとはどのような会社なのでしょうか。
TezosにはBitcoinと比較し、どのような特徴があるのでしょうか。
ぜひご覧ください。
Obsidian Systemsとは
Obsidian Systemsは仮想通貨Tezosの運営団体です。2014年にハーバードロースクールの卒業生2人によって設立され、ソフトウェア開発を主に行うIT企業です。
Obsidian Systemsは自動的に稼働するプログラムを用いた、非中央集権型の仮想通貨という新しいコンセプトに基づき、仮想通貨Tezosを開発しました。
この新しいコンセプトで仮想通貨の市場から大きな期待を集め、Obsidian SystemsはICOから約257億円もの投資を集めました。
その後意見の対立から、Obsidian Systemsはプロトコル開発者と資金の運営者で分裂してしまいます。そのため資金の行方が心配されましたが、現在では落ち着いています。
Obsidian Systemsの提供するベーキングシステム
Obsidian SystemsはTezosにベーキングというシステムを導入しています。ベーキングは英語で「(パンなどを)焼く」という意味の言葉で、Bitcoinで言うマイニングに当たり、参加者を多く募って、全員で分散的にTezosを管理することを目標にしています。
マイニングにはパソコンのマシンパワーと電力が必要なため、一部のユーザーにマイニングが集中する傾向があり、通貨を保有するメリットが受けにくい状況が発生します。
一方ベーキングは安全性を保ちながら、誰もが私有するマシンでベーキングを実行できるようにシステムを開発されています。
ただしベーキングを行うベーカーと呼ばれる人はTezosの秘密鍵を安全に保有することを強く求められ、もし秘密鍵を他者へ漏らしたり、流失した場合は持っている仮想通貨を失う可能性があります。
またベーキングはオンラインでしかできないため、ベーキングには安定したインターネットの接続と秘密鍵への万全なセキュリティが必要になります。
Tezosの価値を高めるハードウェアウォレットの導入
Tezosの安定化とセキュリティの強化を目的に、Obsidian Systemsは2018年6月にLedgerのハードウェアウォレットを導入することを発表しています。
Obsidian Systemsはセキュリティのより強いウォレットの導入によって、Tezosはワンランクアップするだろうと述べており、LedgerもTezosのサポートを公式サイトで発表しています。
先に述べたようにTezosのベーキングには秘密鍵への万全なセキュリティが必要です。そして特にハードウェアウォレットは数あるウォレットの中でも最もセキュリティ面で優れていると言われています。
Ledgerは仮想通貨業界では期待の大きなウォレットのシステムで、同じく業界からの期待が大きいTezosがタッグを組むことで、Tezosの価値は更に高まる可能性が出てきました。
ウォレットは大別して取引所、ソフトウェアウォレット、ハードウェアウォレットに分けられます。
取引所には倒産やハッキングのリスクがあり、ソフトウェアウォレットが最も一般的な選択肢であると言われています。
ハードウェアウォレットはオフラインでも管理ができ、最もセキュリティ面で優れていますがコストがかかります。
おわりに

この記事ではTezosを運営するObsidian Systemsについて、ベーキングというシステムについて、そしてTezosの価値を高めるべく、ベーキングに必要なセキュリティ面を確保するためにハードウェアウォレットを導入したことについて紹介しました。
Obsidian SystemはTezosによってデジタル国家を設立するという夢を持っています。
デジタル国家とは、Tezosというプラットフォーム上でユーザーがTezosを半永久的に改良し続けるという大きなプロジェクトで、市場関係者が注目しています。
Obsidian Systemsのこの壮大で、独自性の高い構想はどこまで発展するのか、非常に楽しみです。