・「アルバート・ハイン」が同社ブランドのオレンジジュースの品質管理を行うブロックチェーンシステムの導入を発表
・QRコードで、生産工程のすべての情報を管理し、商品の品質面での安全性を保証する
・ブロックチェーン技術による農作物の管理は、コストと行程の削減手段として世界中から注目を集めている
2018年9月、オランダのスーパーマーケットチェーン大手「アルバート・ハイン」が、ブロックチェーン技術を使ってオレンジジュースの品質管理を行う情報管理システムを導入する計画があることを公表しました。
アルバート・ハイン(Albert Heijn B.V.)は1887年に創業した、オランダのザーンダムに本社をスーパーマーケットのチェーン会社です。2018年現在、オランダ国内に約700店舗を展開し、小売業の分野では国内シェアの30%を誇る大手企業です。
QRコードで品質を管理
同計画はアルバート・ハイン本社が、同社のサプライヤーの一社である「レフレスコ(Refresco)」と協力体制の元、新たなブロックチェーンのシステムを構築するというものです。この新規システムは、アルバート・ハインの独自ブランド製品に関する情報を、顧客に対して可能な限り提供することを目的として構築されるものです。
同システムで管理される情報は、生産農家の格付けデータの他、原材料(オレンジ)の収穫時期や糖度(甘味)など、多岐に渡ります。これらの情報は、製品を梱包した箱にプリントされている「QRコード」をスキャンすることで確認可能です。
オレンジジュースの生産地であるブラジルからオランダに輸入されるまでの行程に関する情報すべてが、QRコードによって管理されています。そのため、生産企業側には、商品の品質管理にかかるコスト軽減というメリットが、顧客側には商品の品質(安心性)をひと目で確認できるというメリットが発生します。
また、このシステムには、顧客が生産者に「チップ」を贈れる専用のオプション機能も用意されるとのことです。
ブロックチェーン技術を利用した農作物の安全性保証
ブロックチェーンを利用し、農作物の品質を管理して商品の安全性を高めようという動きは、世界規模注目されています。アメリカの最大手スーパーマーケットチェーンである「ウォルマート(Walmart)」も、レタスの衛生管理に関して、ブロックチェーン技術の導入を発表しています。
ブロックチェーン技術により、農作物の品質・衛生管理の行程とコストの削減が効率的に行えるようになるとして、世界中の企業・店舗で導入が進んでいます。