中国人民銀行の前総裁・Zhou Xiaochuan(周小川)氏ってどんな人?

1. Zhou Xiaochuan(周小川)氏の仮想通貨における主張

Zhou Xiaochuan(周小川)氏は、中国人民銀行の前総裁です。総裁時代のZhou Xiaochuan(周小川)氏の主張は世界的にも注目され、デジタル通貨に移行することは不可避だと発言しました。そのうえで、デジタル通貨と仮想通貨の特徴の違いにも言及し、仮想通貨に対してはどちらかといえば否定的な立場であったことで有名です。

・デジタル通貨に移行することは不可避
・デジタル通貨と仮想通貨の特徴の違いに言及

Zhou Xiaochuan(周小川)氏は2018年に退任するまで、15年にわたって中国人民銀行の総裁を務められました。元々、中国の政治家や官僚として活躍してこられた方で、国際金融にも精通していることから、その働きぶりは高く評価されていました。

2.デジタル通貨に移行することは不可避

現在の中国での支払いは、デジタル通貨での決済が主流となっています。これは、インターネットを使って契約や決済を行う取引形態であるeコマースが発達しているためです。そのため、現金を持たずにショッピングや飲食を行うのが、中国では当たり前の光景となっています。

そのことを通じてZhou Xiaochuan(周小川)氏は、技術の発達による現金からデジタル通貨への移行は不可避であると述べたうえで、「現金は時代遅れになる日がくるかもしれない」と発言しました。中国では、もしかしたら今後、現金の発行もされなくなるかもしれないといわれているほど、行政的にもデジタル通貨への移行を認めています。

3.デジタル通貨と仮想通貨の特徴の違いに言及

デジタル通貨を語るうえでよく混同されやすいのが、仮想通貨です。仮想通貨はデジタル通貨の1種ではありますが、厳密にいうとデジタル通貨は電子マネーのことで、法定通貨そのものです。それに対して仮想通貨は、国境を超えて利用できる通貨でありますが、法定通貨ではありません。なので、その時々によって仮想通貨1枚の価格が変わります。

Zhou Xiaochuan(周小川)氏は、仮想通貨については投資目的で使用されることが多いとしたうえで、「決済で使用されることが少なく、経済には何の役にも立っていない」と主張しました。ただ、仮想通貨の早く、便利な決済手段には一定の評価をし、デジタル通貨に反映できないか検証しているところでもあるとしました。ただし最後に「取り返しがつかなくなる前に主要な失敗を防ぐべき。慎重であるべき。」と結びました。