TRONとは、シンガポールのTRON財団が開発・運用している分散型プラットフォームの名称です。
仮想通貨Tron(TRX)は、2017年12月から2018年1月までの3週間で2000%の価格上昇を記録しました。仮想通貨の取引に慣れている人であれば、聞いたことがある名前かもしれません。
この記事では、そんなTRONというプロジェクトについてご紹介します。
- TRONの基本情報
- TRONの運営チーム
- TRONの提携先
- TRONの懸念点
- TRONの価格
Contents
TRONとは何か?
(引用:https://tron.network/index?lng=en)
TRONというプロジェクトはどのような目的で発足したのでしょうか。
TRONは、分散型エンターテインメント・コンテンツシェアプラットフォームをのためのプロジェクトです。このプラットフォームはP2P(Peer-to-Peer)技術を元にしたブロックチェーンを使っています。
ブロックチェーンが、ノードいうサーバーやコンピュータによって運営されている状態を指します。取引の承認に、仲介人を必要とせず安全にかつ迅速に取引承認を完結することができます。
このプラットフォームは、次世代のSNSと考えても良いと思います。自分が作成したコンテンツを世界中の人に提供する場をTRONは実現しようとしています。
TronixがTRONブロックチェーンにおける基本単位となります。ブロックチェーン場では、仮想通貨が流通しておりコンテンツの対価として受け取ることができます。この通貨は、”TRX“と表されます。
SNSやオンラインギャンブル、そして様々なエンターテインメントを楽しむ人がこのTRONというプラットフォームを活用することができます。
TRONの技術を使うと、自分のコンテンツを他の人に共有するだけでなくそのコンテンツを守ることも可能です。このモデルは現在あるFacebookやTwitterなどのSNS企業とは違います。
今までのSNS企業はユーザーデータを使ってマネタイズするモデルだからです。彼らは、ユーザーが知らない間に自分たちの利益のためにデータを使います。TRONが発行する仮想通貨を使えば、データは自分で管理することができ、コンテンツに対する補償が担保されます。
TRONが提携する事業とは?
oBike
TRONはすでにいくつかの大きな提携先が存在します。例えばoBikeです。oBikeは南アジア、シンガポールで最も大きなバイクシェアサービスを展開する企業です。彼らは、独自でoCoinというトークンを所有しています。
そのトークンは2018年にTRONのネットワーク上で発行されてものになります。oCoinsはoBikeで使われる実用的なトークンとなります。
Bitmain
他の主要な提携先としては、半導体大手企業であるBitmainがあります。この企業は、ビットコインのためのASICチップを生産しています。BitmainのAntminer S9はビットコインマイニングコミュニティにおいて最も人気のある製品となっています。
Anminer S9について
以下の記事で詳細に説明されています。
Antminer S9 Review
Zag-S&W
(引用:https://tron.network/index?lng=en)
さらに、Zag-S&Wという提携先もあります。Zag-S&Bは、商業や企業法に特化した国際的な法律事務所です。
この法律事務所は、Legal500の内の一つであり世界中の大企業とパイプを持っています。この提携によって、デジタル資産取引や運営そしてリスク管理や法律関連の問題などを包括的なサポートがTRONに行われることになります。Tronixが取引所にされればされるほど、法律面からのサポートは必須となるので、この提携は非常に効果的といえるでしょう。
The Legal 500 – The Clients Guide to the best Law firms, top Lawyers, Attorneys, Advocates, Solicitors and Barristers.
Legal500とは、29年間にわたって世界中の法律事務所を分析してきたリサーチ機関になります。分析したデータに基づいて、最新の司法業界の情報を提供しています。
このようにTRONは多くの主要企業や機関と提携を結んでいます。
TRON基金がプロジェクトをバックアップ
TRON Foundation(@Tronfoundation)さん | Twitter
TRON基金は、シンガポールを拠点とした非営利の組織です。この組織は、主にTRONネットワークの運営に携わり、公正公平な運営によってTRONの開発チームをサポートしています。
TRON基金のメンバーは、仮想通貨周りの規制やコンプライアンスを重視しています。彼らは、会計および企業規制当局から承認されており、シンガポールの法律に従って運営をしています。
TRONプロジェクトを牽引するJustin Sun氏とは
(引用:https://tron.network/index?lng=en)
TRON基金のリーダーはJustin Sun氏です。
最初に、彼はすでにPeiwoappという1000万人のユーザーがいるアプリで起業しています。Peiwoappとは、オンラインオーディオコンテンツコミュニティのためのアプリとなります。彼は、このアプリで仮想通貨を受け取れるようにしようと考えています。
フォーブス誌は彼をアジアで30歳以下の30人の1人に選んでいます。
彼はまた、Ali Babaaグループの創始者であるJack Ma氏から援助されています。Jack Ma氏はJustin氏をHupan Universityへの入学を許可しています。この大学は、非常に低い合格率で知られ、あのプリンストン大学よりも難関だと言われています。Ali BabaとTRONの関係は未だに明らかになってはいませんが、何人かのトップ開発者がAli BabaからTRONに移動していることから近い関係にあることは間違いないでしょう。
さらに、Justinの周りには、広い人脈が広がります。例えば、Feng LiとTim Berners-Leeです。彼らはそこまで有名ではないですが、Fenf-Liはリップル社のアドバイサーであり、コインベースで投資を指揮した経験を持ちます。Tim Berners-Leeはワールド・ワイド・ウェブ(通称:www)への投資で有名です。
TRONはどのように使われるのか?
(引用: https://www.cryptopuppies.org/)
TRONを使う最も大きな利点は、世界中のアーティストやコンテンツクリエイターに対して、彼らが作成したコンテンツの所有権を与えることができるという点です。
現状のウェブ上ではほぼ不可能であった、自分のデータをコントロールすることができるようになります。コンテンツの表示範囲であったり、マネタイズするかどうかなどです。
開発者の目線から見ても、TRONは非常に魅力的です。
現在開発中のプラットフォームでは、どんなプログラミング言語でもスマートコントラクトのコードが書けるようになるそうです。これは、将来開発者がTRONのプラットフォーム上で彼らが思うアプリケーションを様々なプログラミング言語表現することが可能になることを表します。
TRONのブロックチェーン上で開発された最も有名な製品は”cryptopuppies“でしょう。このゲームは、子犬を育てて、売り買いすることができるゲームです。似ているゲームとしてはイーサリアムをベースとした”cryptokitties“があります。現在、Tron dogsは18ドルから購入できるそうです。
TRONのプラットフォームでの取引はどのように行われる?
仮想通貨TRXはどのように取引が承認されて、運用されるのでしょうか。
他の多くの仮想通貨と同様に、TRXコインの取引はオープンブロックチェーンで行われます。このップロックチェーン上では、取引記録は全て追跡され最初の取引と整合性が取られることになります。
本質的には、取引承認のモデルはビットコインとよく似ています。例えば、ビットコインと同様にUTXOモデルを使っています。
UTXOモデルとは、取引データを用いて各アドレスの通貨残高を計算する方法になります。直接通貨残高をブロックチェーンに記録しないので、セキュリティ面が向上するというメリットがあります。
TRONについて懸念点は?
TRONは、未だに新しいビジョンを持った出来たばかりの通貨です。
ユーザーにもわかりやすいコンセプトであることから、良い投資先と考える人も多いとは思います。しかし、投資家から懸念されている点もいくつかあります。この章では、TRONの懸念点について紹介します。
まず、Sun氏の情報発信方法があまりよくありません。
投資家からの評価としては、Sun氏は、将来大きな発表があるということしか投資家に伝えず、詳細を伝えることをしないのです。このことは、投資家にとってフラストレーションが溜まることでしょう。また、一部の投資家は、Sunがとても若く経験が少ないことから、このプロジェクトを運営することができないのではないのかという懸念をもっています。
プロダクトについても、指摘があります。TRONのコードがイーサリアムのコードを酷似しており、著作権を侵害しているのではないかというものです。これは、修正されましたが問題になりました。同様に、Sun氏がTRXを売却したとのニュースも流れましたが、これは誤報であったようです。
TRONの価格は?
TRXの価格は5月に一度0.09ドルまで上昇しましたが、その後、下落傾向にあります。5月の高騰は、中華系仮想通貨取引所CoinBeneに上場が決定したことによるものだと言われています。
取引所に上場する際には価格が上がる傾向にあるので、投資するタイミングは運営からのアナウンスをいかに早く情報として仕入れるかが鍵になるかもしれません。
現在の価格は0.02ドル付近で、出来高も少なく新たな投資家を呼び込むことはできていない状況です。9月にビットコインETF承認に関する発表が米国証券取引委員会(SEC)からあるとのことなので、仮想通貨市場が盛り上がりを見せれば、また価格にも影響していくでしょう。
まとめ
Sun氏という若きリーダーの下で、TRONのプロジェクトは着々を進行しています。Sun氏は仮想通貨業界で最も人脈が多くあると言っても良いでしょう。この人脈を使って、どこまで仮想通貨TRXを普及させることができるのか非常に楽しみです。