仮想通貨に消極的なWestern UnionのHikmet Ersek (ヒクメット・エアセック)CEO

Hikmet Ersek (ヒクメット・エアセック)氏は、金融と通信の分野で世界的な企業であるWestern Union社のCEOです。同氏は2016年6月に、既存の送金システムに代わってブロックチェーン技術を導入することに懐疑的な意見を述べました。しかし、その半年後、同社の国際送金部門のトップは仮想通貨の導入に前向きな発言をしています。

Western Union社と仮想通貨

・仮想通貨の必要性を感じないと語る
・リップル社の技術をテスト運用していることを認める
・仮想通貨の導入に前向きな発言

仮想通貨の必要性を感じないと語る

Western Union社は1851年設立と長い歴史を誇る金融企業ですが、国際送金サービスを広く展開するようになったのは、現CEOのErsek氏がCEOに就任した2010年以降です。しかし、同氏は2018年6月に、仮想通貨を国際送金のソリューションに加える計画は当面ないと語りました。なぜなら現金を始めとした有形資産の方が顧客にとって幅広い用途があり、あえて仮想通貨を導入する必要性が感じられないとのことです。また、大手金融機関が一様に仮想通貨に対して懐疑的な姿勢であることも、同社が仮想通貨の導入に消極的な理由として挙げています。法定通貨に対して支配権を持つ中央銀行が、その支配権を明け渡してまで分散型技術を用いる仮想通貨に移行することは有り得そうにないとも付け加えました。

リップル社の技術をテスト運用していることを認める

Western Union社は、2017年に仮想通貨取引所がかかわる電子送金に反対するキャンペーンを展開しました。安全性の高さで世界的な信頼を得ている仮想通貨取引所Krakenに対して、仮想通貨関連の取引の処理を拒否したことも伝えられています。しかし、2018年2月には、Western Union社がリップル社のブロックチェーン技術を用いた「リップルネット」という決済システムのテスト運用を実施していることが伝えられました。それについてErsek氏は、テスト運用について認め、ブロックチェーンを使用する際の規制やコンプライアンスについて探っている最中だと述べています。

仮想通貨の導入に前向きな発言

仮想通貨の送金サービスを導入する予定はないと語ったErsek氏ですが、同社の国際送金部門のトップであるOdilon Almeida氏は2018年12月、すでに仮想通貨の導入への準備が整っていることを明かします。同社はすでに世界中の130種類もの通貨を扱っており、仮想通貨も他の法定通貨を導入するのと技術的に違いはないとのことです。