仮想通貨のカストディサービスを開始するスイスの銀行「Vontobel」

 

Vontobelはスイスのチューリッヒに本拠を構えるプライベートバンクです。2019年、デジタル資産のカストディサービスを開始することを発表しました。

Vontobelについて

・顧客のニーズの把握に長けたスイスのプライベートバンク
・仮想通貨と伝統的な金融サービスを結びつける存在
・仮想通貨業界全体にとって大きな進展

顧客のニーズの把握に長けたスイスのプライベートバンク

1936年に設立されたVontobelは、個人向け、および機関投資家向けのサービスを提供しており、投資銀行とチームを組んでウェルス・マネジメントに力を入れているのが特徴です。昔から金融サービスが発達していたスイスのプライベートバンクらしく、経営の安定性が極めて優れており、富裕層や投資家から絶大な信頼を寄せられています。そんなVontobelが、2019年1月、デジタル資産のカストディサービスの提供を開始することを発表しました。スイスの金融機関に共通することですが、顧客のニーズを把握することを最重要視しており、今回の決定もその方針に従ったということで、仮想通貨やデジタル資産へのニーズが世界的に高まっていることの表れでしょう。

仮想通貨と伝統的な金融サービスを結びつける存在

Vontobeは、2016年には「Tracker Certificate」という投資商品を発売しており、いち早くビットコインを取り入れた銀行です。2017年には、スイス証券取引所にビットコインのミニ先物を2種類上場しています。今回、開始予定と発表された仮想通貨のカストディサービスは、「Digital Asset Vault」といって仮想通貨の管理やストレージの専門企業Taurusとの協力で実現する運びです。TaurusのLamine Brahimi氏は、今回のVontobelとの提携はスイスの金融業界にとって重要な出来事で、銀行のような伝統的な金融サービスと仮想通貨が結びつくきっかけになるだろうと語っています。また、Vontobelの投資銀行業務責任者Roger Studer氏は、Vontobelが規制当局の厳しい要件を満たす初めてのプロバイダーになると自信満々です。

仮想通貨業界全体にとって大きな進展

仮想通貨ETPが始まるなど、スイスは仮想通貨の受容が世界でも特に進んでいる国です。Vontobelのような伝統的なプライベートバンクが仮想通貨を受け入れたことは、仮想通貨のエコシステム全体にとっても大きな進展になるでしょう。今後、さらに多くの金融機関がこの分野に参入することが期待されます。