仮想通貨STOプラットフォームの「tZero」

「tZero」は、2019年1月にOverstock.comの子会社tZeroがローンチしたSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)プラットフォームです。

tZeroについて

・STOプラットフォーム
・60社とセキュリティトークン発行を計画中
・盛り上がりを見せるまで時間がかかりそう

STOプラットフォーム

tZeroは STOプラットフォームとして注目を集めています。STOとは「セキュリティ・トークン・オファリング」のことです。不動産、株式、配当、会社の所有権など価値ある資産に裏付けられる通貨をセキュリティ・トークンと言いますが、それを取引するためのプラットフォームをSTOと呼びます。2017年の仮想通貨バブルで数多くのICOが行われ、多くのプロジェクトが多額の資金を調達することに成功しましたが、同時に詐欺的なプロジェクトが乱立し、詐欺ではなくても途中で開発がストップするプロジェクトなども多発しました。そこで、アメリカ証券取引委員会(SEC)の規制に準拠して発行される通貨、つまり有望なプロジェクトだけを扱うために立ち上げられたのがSTOのtZeroです。これにより中身に実体がないプロジェクトなど、詐欺的なプロジェクトが淘汰されると予想されます。

60社とセキュリティトークン発行を計画中

tZeroのローンチまでに、同社は機関投資家向けにセキュリティトークンを販売して資金を調達しました。今後、tZeroの業績に応じてトークンの保有者は配当を受け取ることになります。つまり、セキュリティトークンが実質的なtZeroの株式として用いられることになるのです。今後、tZeroでは自社のセキュリティトークンだけでなく、約60の企業とセキュリティトークン発行の話を進めている段階で、Overstock.comのCEOでもあるPatrick Byrne代表は、自動車メーカーのElio Motorsの名を次にSTOを実施する企業として挙げています。

盛り上がりを見せるまで時間がかかりそう

tZeroがローンチされて2カ月あまりの時点では、当初の予想ほどSTO市場は盛り上がっていないようです。tZeroの発行したセキュリティトークンは、販売当初の3分の1程度まで下落しています。理由は、tZeroがSECに準拠する取引所であることから、参加までのハードルが非常に高いことでしょう。一般の投資家が簡単に参加できる取引所ではないため、tZero のようなSTOがブームになるまで、もう少し仮想通貨市場が成熟するのを待つ必要がありそうです。