ベネズエラの百貨店Trakiが仮想通貨支払いを開始

 

この記事のポイント

■Trakiはベネズエラの大手百貨店
■支払い可能な暗号通貨は5銘柄
■ベネズエラ国内での仮想通貨取引量がアップ

Trakiとは?

Trakiとは、ベネズエラで人気のある百貨店の一つで、10階建ての巨大なビルの中にはたくさんのリテールショップが入店しています。専門的な商品のみを販売する百貨店というわけではなく、取り扱う商品は多岐にわたっていて、ファッションアイテムやアクセサリー、シューズ、家庭用品や家具など多種多様です。店舗には毎日たくさんの人が足を運び、老若男女に愛されている百貨店なのですが、このTrakiでは、ショッピングの際の決済方法の一つとして、仮想通貨を追加したことが話題となっています。仮想通貨を使ったショッピングの支払い方法ができるのはTrakiが世界で初めてというわけではありませんが、Trakiが導入したシステムがReal Adoption and Real Help(リアルな採用とリアルなヘルプ)だとして注目されています。

利用できる仮想通貨は5銘柄

仮想通貨と言っても、その数はたくさんあります。Trakiで決済に利用できる仮想通貨銘柄は、その中から流通量が多くて安定している5銘柄が選ばれていて、ビットコイン、ダッシュ、イーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュを使って支払うことができます。1つの銘柄だけで支払わなくても、複数の銘柄を組み合わせて支払うこともできるので、利用者からはとても使いやすいと好評です。

インフレーション率100万%が背景

国が財政難にあえぐベネズエラでは、2018年末におけるインフレ率はなんと100万%。こうしたインフレ率が高い国においては、リアルな通貨は崩壊寸前の状態にあるため、新しい通貨制度が求められています。そうした国のニーズにマッチしたのが、仮想通貨だったわけです。Trakiが仮想通貨での決済を受け入れ始めてから、多くのビジネスやショップがその行方を見守っていたようですが、大成功を収めているため、今後はさらに多くのショップやビジネスにおいて、仮想通貨での決済が受け付けられるのではないかと予想されています。

こうした金融危機や財政難の状況の中で、ベネズエラ国内では仮想通貨の取引量が急増しています。その中でもやはりリアルな世界とのかかわりが大きく、リアルな世界で決済などとしても使いやすいビットコインの取引量は飛躍的に増えているようです。現在、ベネズエラ国内でピアツーピアの暗号通貨取引を行うLocalbitcoinsという仮想通貨取引所においては、取引のボリュームが急増しており、対応に追われているようです。