仮想通貨のカストディサービスのためにVontobelと提携した仮想通貨管理会社「Taurus」

「Taurus」はスイスのジュネーブに本拠を置く仮想通貨管理とストレージのスタートアップ企業です。2019年、スイスのプライベートバンク、Vontobelがスイスの銀行として初めて仮想通貨のカストディサービスを開始すると発表しましたが、同銀行の「Digital Asset Vault」はVontobelとTaurusの提携によるものです。

仮想通貨管理とストレージの専門会社「Taurus」について

・デジタル資産のマネジメントのためのプラットフォームを開発
・Vontobelと提携

デジタル資産のマネジメントのためのプラットフォームを開発

Taurusは、2018年4月にジュネーブで設立されたばかりのスタートアップ企業です。仮想通貨の管理やストレージを専門にする企業で、仮想通貨の暗号アルゴリズムである「BLAKE2」や「SipHash」の開発者でもあるJean-Philippe Aumasson氏が共同設立者に名を連ねます。また、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)などの規制当局や、銀行業、資産マネジメント、サイバーセキュリティなどのさまざまな分野から、優秀な専門家が集結している企業です。Taurusは、ブロックチェーン技術が経済に良い影響を持続的に与える存在であり、また、デジタル資産のマネジメントがいずれ伝統的な金融資産のそれと結合することになるという信念のもと、取引や投資、デジタル資産の保護などのための次世代のブロックチェーンプラットフォームの開発に力を注いでいます。

Vontobelと提携

そんなTaurusがVontobelと提携して開発したのが、「Digital Asset Vault」というデジタル資産保管庫です。Vontobelは、カナダのVersaBank、アメリカの資産運用会社Fidelity Investmentsに次いで、過去4カ月で世界で3番目となるデジタル資産のカストディサービスの提供開始を発表した金融機関となりました。Taurusは同銀行と提携して、スイスの規制に準じる暗号化オプションをユーザーに与えるモジュールを開発し、同銀行のインフラに統合します。また、「Digital Asset Vault」では、ユーザーは秘密鍵を所有する必要がなくなるとのことです。Taurusの共同設立者のLamine Brahimi氏は、Vontobelとの提携はスイスの金融市場に大きなインパクトを与えることになる重要なものと位置付けており、今回のことで伝統的な金融サービスと暗号金融の2つの世界が結びつくことになるだろうとも語っています。