サウジアラビア通貨機構が管理する研究機関SPARC

 

この記事のポイント

■SPARCはサウジアラビアにおける仮想通貨の開発を担当
■中央銀行であるサウジアラビア通貨機構(SAMA)に属する研究機関
■2019年時点でのトップはMohsen Al Zahrani氏

2019年に公式の仮想通貨が誕生

サウジアラビアの中央銀行であるサウジアラビア通貨機構(SAMA)では、2019年にサウジアラビアが独自のデジタル通貨をローンチすると発表しました。これは、銀行間のクロスボーダー決済に利用されることを目的としていますが、実際の開発は、サウジアラビア通貨機構(SAMA)に属する研究機関のSPARCが行うことになります。SPARCのトップに位置するMohsen Al Zahrani氏によると、すでにデジタル通貨の開発はスタートしていて、2019年ローンチに向けて着々と進められているとのことです。

リアルな生活にも浸透する可能性

サウジアラビアでは2019年現在、仮想通貨の取引は一切が禁止されていて、もしも仮想通貨の取引をしてしまうと、違法行為として厳しく処罰されてしまいます。そのため、SPARCが開発するデジタル通貨に関しても、当面は銀行間の費用対効果が高いクロスボーダー決済を実現するために利用することが計画されていて、その後利用範囲が広がっても、しばらくは銀行間取引に主に使われることが決められています。

しかし、サウジアラビアのSPARCが独自に開発するデジタル通貨の実用化が始まると、一般消費者にとってもたくさんのメリットが期待出来るシステムを構築することにつながります。すでにSPARCでは、デジタル通貨を取り入れることによって最新の金融テクノロジーを導入することが可能になるという見解を示しています。そのため、これから法による規制や、現在禁止となっている仮想通貨の取引などにおいてどのように妥協点を模索していくのかが大きな課題となっていくかもしれません。

SPARCとUAW規制当局が合同開発

SPARCが開発を行っているサウジアラビア独自のデジタル通貨は、SPARCが単独で行っているわけではありません。規制に関する部分においては、仮想通貨に対して積極的な姿勢を示すUAEと共同で枠組みが決められていたり、法律的な部分においては中間取引所として機能するシステムの導入なども検討されています。もしかしたら、仮想通貨の直接的な取引はNGでも、仮想通貨をポイントなどに還元して消費者が利用できるシステムとして構築されるかもしれませんね。