SPARCのトップMohsen Al Zahrani氏がサウジアラビアの国家支援型の仮想通貨に言及

 

仮想通貨というと研究チームや企業などが作るものというイメージが強いですが、近年ではベネズエラのように国を挙げて仮想通貨を発行するという例も見られるようになってきました。ベネズエラは金融危機から脱するための策として仮想通貨を発行しましたが、銀行間取引などのために仮想通貨を発行する国も現れています。その一つがサウジアラビアです。

・サウジアラビアは国家支援型の仮想通貨のローンチを計画
・サウジアラビア通貨機構のMohsen Al Zahrani氏が計画に言及
・新仮想通貨には課題も山積

サウジアラビアは国家支援型の仮想通貨のローンチを計画

サウジアラビアというと仮想通貨を敵視しているアラブ諸国の一員というイメージですが、国家支援型の仮想通貨のローンチを計画していることが明らかになりました。もし国家支援型の仮想通貨がアラブ諸国の中で使用されるようになれば、画期的な出来事となります。現在サウジアラビアと新たな仮想通貨を共同開発するとされるアラブ首長国連邦は、どのように新たな仮想通貨が合法的に機能できるかを調査している途中です。

サウジアラビア通貨機構のMohsen Al Zahrani氏が計画に言及

この新たな国家支援型の仮想通貨の存在が明らかになったのは、サウジアラビア通貨機構に属しているイノベーションセンター(SPARC)のMohsen Al Zahrani氏がこの計画に言及したためでした。サウジアラビアが独自の仮想通貨を2019年に発行し運用する予定であることに言及し、世界中の投資家たちを驚かせました。宗教的な理由で仮想通貨を全面的に禁止してきたアラブ諸国の一つである、サウジアラビアとアラブ首長国連邦が仮想通貨を独自に開発するというニュースは、驚きをもって受け止められたのです。

新仮想通貨には課題も山積

しかしサウジアラビアとアラブ首長国連邦の計画は順風満帆というわけではありません。サウジアラビアの規制当局は仮想通貨の禁止に変更が加えられないと明言しており、国家を上げて開発された仮想通貨が実際に投資家たちによって投資の対象となる見込みは薄くなっています。むしろ銀行間の取引の効率化、費用対効果を向上させるためにのみ用いられる可能性が高い状況です。もちろん仮想通貨の開発、ローンチによって最新の金融テクノロジーを金融システムに導入することはできますが、それが世界の仮想通貨市場にどんな影響を与えるかはまだ不透明です。