SMARTS Market Surveillance Technologyの市場監視技術




この記事のポイント

・SMARTSは仮想通貨の不正防止のためNASDAQが提供する市場監視技術
・SMARTSの監視対象となる仮想通貨はビットコインとイーサリアム
・世界の大手仮想通貨取引所でSMARTSの導入が進む

仮想通貨の取引では、無価値な資産の価格を吊り上げて売る「ポンプ&ダンプ」や実態を伴っていない売買を繰り返す「ウォッシュトレード」、インサイダー取引といった不正行為がしばしば行われています。不正防止のためには取引を監視する必要がありますが、そのためには専門技術を持つチームを置くことが必要とされ、人件費がかかってしまいます。市場の監視を無人化し、自動化するためにNASDAQ(ナスダック)が提供している市場監視技術がSMARTS Market Surveillance Technology、通称SMARTSです。

SMARTSは監視対象となる仮想通貨のトレードをリアルタイムで監視し、そのデータを調査・検出・分析、異常な取引パターンを検知した場合、フラグを立てるなどの方法で異常を知らせます。

SMARTSが監視対象とする仮想通貨は、ビットコインとイーサリアムです。ビットコイン/ドル・イーサリアム/ドル・ビットコイン/イーサリアム、以上3種の取引が、SMARTSの監視対象となっています。また、市場の価格に影響を与えぬために、当事者同士のみで行われる大口取引であるブロックトレードも監視の対象となっています。

大手仮想通貨取引所で導入が進むSMARTS

2018年4月、仮想通貨資産の保有量でアメリカの経済誌フォーブスが発表した長者番付第4位にランクインしたウィンクルボス兄弟が創設した、アメリカ最大級の仮想通貨取引所「ジェミニ」がナスダックと提携してSMARTSを導入することを発表しました。他にも、アトランタのインターコンチネンタルホテル取引所(ICE)や香港取引所(HKEx)など、世界中の取引所で使用されています。

NASDAQは時期は未定とされながらも、仮想通貨取引所として参入を検討しているとされており、セキュリティー・トークンのプラットフォームの立ち上げも検討しているという情報もあります。

ただし、NASDAQのCEOであるAdena Friedman氏はTV番組のインタビューに対し、仮想通貨が長期的に将来性が確約されているとしながらも、現状の仮想通貨市場は規制が行き届いていないとも指摘、市場が十分に成熟して規制が行き届くようになった時期を見計らって、仮想通貨取引所として市場参入を検討するとしています。ジェミニは信託会社としての信用が高く、ビットライセンス要件から免除されています。そのジェミニにSMARTSを提供したことは、将来的にNASDAQが仮想通貨取引所として市場参入を果たすための下地づくりであると考えることもできるでしょう。