司法当局の中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)が仮想通貨の財産的価値を認める

 

この記事のポイント

■中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)は中国の司法当局
■中国では仮想通貨は全面禁止
■仮想通貨の財産的価値を認め、法律で保護すると判決

中国は仮想通貨に厳しい国

仮想通貨は世界中に広く普及していますが、国ごとに対応は千差万別です。仮想通貨の導入に対して積極的な国の中には、税金や光熱費などを仮想通貨で決済できる国などもある反面、中国のように仮想通貨の投資や取引は一切が禁止されている国なども少なくありません。そんな中国では、仮想通貨は全面禁止という態度をとりながらも、司法当局である中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)が裁判において、仮想通貨に財産的価値があると認める判決を下したことが話題となっています。

これは、中国当局がリアルな社会においては仮想通貨を認めないという人治主義的な規制を掛けたのに対して、司法当局の中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)が法治主義的な立場から抑制を掛けたということになります。

株式譲渡契約に関するトラブルの仲裁を受理

中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)は、株式譲渡契約に関するトラブルの仲裁を受理しました。このトラブルでは、仮想通貨の中のビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコインダイヤモンド(BCD)が絡んでいたわけですが、こうした仮想通貨の価値を中国の法律によって保護するという判決を下したわけです。すでに2018年10月には中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)の公式アカウントで判決が伝えられています。

中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)によると、仮想通貨はどんな種類でも中国において法定通貨として通用するわけではないが、仮想通貨を合法的に流通させたり保有することを現在の中国の法律で禁止しているわけではないということになります。そのため、現状の法システムに基づいて、契約法および民法法則の点から、規定に従って経済価値を持つとして財産だと認定したわけです。

中国の仮想通貨は変わるのか?

今回の中国広東省深圳国際仲裁院(SCIA)による判決によって、中国国内でも法に基づいた取引や保有をしていれば、仮想通貨を財産として認められることが分かりました。法定通貨として利用することはできなくても、グローバルな立場で考えれば長期的には保有することが賢明だと考える投資家は少なくないかもしれません。

中国では、仮想通貨に対する姿勢はとても消極的ですが、仮想通貨を支えるブロックチェーン技術に対してはとても積極的に取り組んでいて、すでに実用化されているシステムは複数あります。もしかしたら今後、少しずつ中国における仮想通貨の立場も変わっていくかもしれません。