分散型台帳技術開発を行ったR3はどんな企業?

 

この記事のポイント

■Ripple社のライバル
■分散型台帳技術開発(DLT)を行った企業
■SBIホールディングスと2019年1月に合弁会社を設立

R3はこんな企業

R3というと、Ripple社のライバル的な存在であるという声をよく耳にします。確かに、R3もRipple社もブロックチェーン技術を大きなかかわりがあるので、そうした噂が飛び交うのかもしれません。R3社は、分散型台帳技術(DLT)を開発した企業として知られていて、ブロックチェーンが持つ取引の透明性や監査の容易さ、そしてデータの共有しやすさに焦点を当てたプラットフォームを提供している企業です。

R3社が開発した分散型台帳というのは、一つ一つの台帳がブロックチェーンのようにリンクしているわけではありません。一つの大きな台帳をユーザーたちが共有するという概念を持つ台帳のコトです。分散型台帳技術はスマートコントラクト技術とコラボすることによって、カウンターパーティが多く参加するような取引や、貿易金融のように複数のエスクローが連鎖して一つの大きな取引を構築するシステムも、効率的に処理することが可能です。

R3社が展開するCORDA

R3社が展開する分散型台帳は、CORDAと呼ばれています。これはビジネスにおける契約に関して情報を記録したり、調整する作業を自動化できる台帳で、処理にかかる時間やコストを大幅に削減することが可能です。

CORDAの特徴は、なんといっても匿名性が高い点があるでしょう。ビットコインのようなパブリックチェーンだと、誰でも取引情報を閲覧することができます。その際には個人情報を突き止めるということはできませんが、誰かから誰にいくらを送金したという情報はチェーン上に公開されてしまうのです。しかしCordaの分散型台帳システムを使うと、当事者間だけで台帳を共有するため、第三者に情報が漏洩したり、共有されるということがなくなります。結果として、高いセキュリティとプライバシーが順守されることになるのです。

2019年1月にはSBIホールディングスと合弁

R3社は、2019年1月に、日本のSBIホールディングとの合弁会社を設立することを発表しました。この合弁会社は、R3社が開発した分散型台帳技術を活用しながら、ブロックチェーンの基盤をアジア地域全体に整備したり、普及促進することを目的として事業展開することになります。日本にもいよいよ本格的にブロックチェーン技術が上陸することになりそうです。