仮想通貨のチャリティプロジェクト・パイナップル基金”Pine”とは?

・約61億円を寄付した実績
・創立者は謎
・ミッションは完遂した

パイナップル基金”Pine”とは?

パイナップル基金”Pine”とは、「パイン」と名乗る人が仮想通貨を介してチャリティ活動するために作った基金のことです。仮想通貨で非営利団体をはじめとして社会活動を行っているところに寄付するために設立されました。この基金の特徴は、匿名で行われている点です。このため創立者に関しても、大好物にちなんでパインと名付けられたこと、仮想通貨の黎明期から投資を行っていたこと以外は明らかにされていません。

2017年12月に5037BTCを寄付する計画を発表

このパイナップル基金”Pine”では、ビットコインで5000BTC以上保管していました。そして2017年12月に、5057BTCを慈善団体に寄付する計画を発表したのです。2017年末というと、ビットコインの価格が急騰した時期です。ちなみにその時のビットコインを円で価値を換算すると、93億円相当になります。2018年に入ってから仮想通貨に関する規制などで、ビットコインの価格は下落傾向にあります。しかしそれでもかなりの資産価値を有することは確かです。

パイナップル基金”Pine”では慈善団体を募るためにオリジナルのウェブサイトを開設しました。そして申請の受付を始めたのですが、5か月間で実に1万件近くの申し込みがあったそうです。ユニバーサルヘルスケアや女性支援、水道プロジェクトなど多種多彩なジャンルからの申請がありました。その結果、いろいろなところに寄付が実行されています。

具体例を紹介するとWatsiという非営利団体には1億円相当のビットコインが送金されました。こちらの団体は医療分野の技術発展を目的に設立された非営利団体です。また同じく約1億円相当のビットコインは、The Water Projectにも寄付されています。こちらはアフリカのサハラ地方に清潔な水道を安定して供給できるシステムの構築を目指しています。そのほかにも慢性複合疾患の研究を行うオープンメディシン財団や幻覚剤研究学会など様々な団体に寄付を行いました。

2018年5月10日には、Internet Archivesという映画や書籍、ソフトウェアを無料で提供している電子図書館への寄付を実行しました。これを最後に、パイナップル基金”Pine”のミッションは完遂したと発表されています。今後パインがまた活動を始めるかどうかは、2018年12月の段階では不透明です。