国際送金の効率化を進めるクウェート国立銀行(National Bank of Kuwait)

 

クウェート国内最大級の金融機関であるクウェート国立銀行(National Bank of Kuwait)(以下NBK)は、Ripple社のネットワーク「RippleNet」に参加したクウェート初の銀行ですが、2018年12月、同社のブロックチェーンソリューションである「NBK Direct Remit」を使用する国際送金サービスを開始することを発表しました。

クウェート国立銀行(NBK)について

・世界で最も安全な銀行の一つ
・Ripple社のブロックチェーン技術を用いた国際送金サービスを開始

世界で最も安全な銀行の一つ

クウェートを始めとしたイスラム圏では、ムハンマドの言行とコーランに基づく「Sharia’a(シャリーア)」というイスラム法により、利子の取得が禁じられています。そのため、近代以降、イスラム圏の金融機関は無利子での運営が原則です。こうした金融機関をイスラム銀行と言います。1970年代にオイルショックで得た莫大な資金を背景に、以降、数々のイスラム商業銀行が生まれてきました。なかでもNBKは、国際格付市場で大きなシェアを占めるムーディーズ、S&P、フィッチの各機関から最高評価を得る銀行で、強固な資本力、安定した経営、厳しいリスク管理などで世界で最も安全な銀行の一つに数えられています。今では世界四大陸で業務を展開するNBKは、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、エジプトなど周辺各国にサービスを提供するほか、アメリカ、イギリス、フランス、中国、シンガポールなどの地域においても大きな影響力を持つ金融機関です。

Ripple社のブロックチェーン技術を用いた国際送金サービスを開始

そんなNBKですが、2018年には、クウェートの銀行で初めてRipple社の国際ネットワーク「RippleNet」に参加しました。さらに、同年12月には、同ネットワークのブロックチェーン技術を用いた国際送金サービスを開始することが発表されています。そのサービスである「NBK Direct Remit」は、いつでも送金が可能で、送金にかかる時間はわずか数秒というのが売りです。まずは国内でサービスを開始し、続いてヨルダンでもサービスが利用可能になる予定です。将来的にはさまざまな国にサービスが拡大されていくと見られます。リアルタイム送金が可能なRipple社の技術は世界中で注目されていますが、イスラム圏の代表的な金融機関が参加したことによって、今後はさらに多くの金融機関がRippleNetに参加を表明するのではないかというのが大方の見方です。