North American Securities Administrators Association(NASAA) 規制当局主導で「仮想通貨一掃作戦」が展開される

この記事のポイント

・アメリカとカナダの40におよぶ州証券規制当局が大規模な捜査作戦を開始
・Bitcoinが史上最高値を記録した2017年に、悪質なICOの事例が急増
・詐欺が疑われているICOのウェブサイトには共通する特徴がある

仮想通貨による詐欺・不正行為は後を絶たず国際的な問題にもなっていますが、アメリカとカナダの各州の証券規制当局が、2018年5月に仮想通貨の投資プログラムのうち、詐欺である可能性の高いものに対して大々的な捜査を行う「仮想通貨一掃作戦( sweep)」を開始しました。

40におよぶ管轄区域の規制当局が当作戦に参加、北米証券管理者協会North American Securities Administrators Association(NASAA)が統括役となり、作戦開始当時で70件の疑いのある事案に対しての捜査を開始、約35の業者に対して州証券法違反の疑いがあることを警告しました。その中には業務停止命令に至った事例もあります。

2017年に仮想通貨の不正ドメインが急増

NASAAは2018年初頭、一般投資家に対してイニシャルコインオファリング(ICO)のリスクに関しての警告を発しており、今回の「仮想通貨一掃作戦」は、特に疑いのあるICOが捜査対象の中心であるしています。ワシントン・ポストの記事によれば、(BTC)が史上最高値である約20000ドルに達した2017年に登録された約30000件の怪しいとされる仮想通貨関連ドメイン名が発見されているといいます。

今回の「仮想通貨一掃作戦」の事例のひとつにイギリスの仮想通貨プロジェクト、BTcrushに対して、不正取引を行い、テキサス州の住人に無許可で証券を販売したとして警告文を送っています

BTcrushは運営しているBitcoinマイニングファームのうちのひとつを、第二次世界大戦中に使用されていた掩蔽壕を再利用しているとウェブサイト上で宣伝していましたが、その証拠とされたビデオ映像はオンライン上で得られるビデオ素材を不正に使用したことが判明しています。

詐欺が疑われるウェブサイトには、共通する特徴があるといいます。それは宣伝が派手であったり、架空や偽の住所を使っているという点です。自社の商品宣伝のために、偽者のセレブの写真をでっち上げした悪質な詐欺的ICOもあるといいます。また、高い利率を謳いながら、仮想通貨のリスクに関しては表向きな説明を行っていないということも上げられます。