MyEtherWalletから分裂して設立されたMyCrypto

MyCryptoは、カリフォルニア州ロサンゼルス郡レドンドビーチに本拠を置く仮想通貨ウォレットサービスの会社です。2018年2月、MyEtherWalletから分裂する形で設立されました。

MyCryptoについて

・MyEtherWalletから分裂
・トランザクション予約機能を導入
・ユーザーはウォレット提供会社の動向に注意が必要

MyEtherWalletから分裂

MyCryptoは、MyEtherWalletの立ち上げメンバーでもあるTaylor Monahan氏が設立したEthereumやERC20トークンを管理するためのウェブウォレットを提供する会社です。2018年2月に、MyEtherWalletが新しいウォレットのMyCryptoを発表しました。ところが、この発表に驚いたのは他ならぬMyEtherWalletのメンバーで、自分のTwitterのハンドルネームが勝手に変更されたこともあり、社内で内紛に発展します。また、この突然のことに多くのユーザーも驚き、なかにはフィッシング詐欺を疑う声も出ました。起訴にも発展しそうな勢いでしたが、結果として、MyCryptoはMyEtherWalletと袂を分かち、MyCryptoという新会社の設立となったのです。

トランザクション予約機能を導入

2019年9月、MyCryptoはEthereumのトランザクションを予約する機能を導入しました。スマートコントラクトを用いたスケジューリングにより、多様なトランザクションが可能になると注目を集める機能の導入です。同社のTaylor Monahan CEOはこの機能の導入に自信を見せており、Ethereumの生みの親であるVitalik Buterin氏も「価値ある機能」と評価しています。

ユーザーはウォレット提供会社の動向に注意が必要

利便性を高めるMyCryptoですが、ユーザーとしてはMyEtherWalletとMyCrypto、どちらも使える状態にしておく方が安心です。MyCryptoは、MyEtherWalletの開発メンバーが開発しただけあって、それと非常によく似たインターフェイスであり、これまでMyEtherWalletを使っていたユーザーなら使い方に戸惑うことはないでしょう。今回の件で、仮想通貨ではなくウォレットの方がハードフォークのようなことを起こすこともあり得ることがわかりました。ユーザーは各社の同行によく注意して、その都度最適なウォレットを使えるようになっておくべきでしょう。