Joachim Nagel氏が語るKfWとブルキナファソのブロックチェーンアプリ共同テスト

ドイツ連邦政府が運営するドイツ復興金融公庫(KfW)が、ブルキナファソの財務省と共同で公共財務管理のためのブロックチェーンアプリケーションのテストを行う計画があると、KfW取締役会のメンバーのJoachim Nagel氏が2018年12月に明らかにしました。

KfWについて

・政府の公共政策を推進するための金融機関
・ブルキナファソと共同でブロックチェーンアプリケーションのテストを行う

政府の公共政策を推進するための金融機関

KfWは、1948年にドイツ復興金融公庫法に基づき設立されたフランクフルト・アム・マインを本拠とする公法機関です。政府の公共政策の推進が第一の目標であり、そのために、スタートアップ企業や中小企業向けの金融サービスに力を入れるほか、インフラ整備、技術革新、環境保全、開発協力などに力を入れています。2017年からKfWの取締役会のメンバーを務めるカールスルーエ出身のJoachim Nagel氏は、カールスルーエ大学で経済学を修めた後、これまでドイツ連邦銀行でマーケティングやIT部門の長を務めてきた人物です。経済学の博士号を有するNagel氏の知見が、KfWのグローバルな進展に貢献しています。

ブルキナファソと共同でブロックチェーンアプリケーションのテストを行う

2018年12月、Nagel氏はKfWとブルキナファソ財務省との共同で、同国の公共財務管理用のアプリケーションのテストを行うことを発表しました。すでに同年の11月に、KfWは独自に開発した「TruBudget」というブロックチェーン技術を用いたアプリケーションのテストを、半年以内にブルキナファソで行う計画があることを明らかにしていましたが、それが具体的な形になった格好です。Nagel氏によると、TruBudgetでリアルタイムな契約承認が可能になり、資金の正当性の確認が容易になるほか、書類作業に費やされてきたコスト削減などのメリットが生み出されるとのことです。リスク管理を行うには国内に支店を構えた方が容易というのが従来の考え方ですが、Nagel氏はブロックチェーンを用いたTruBudgetを使えば遠隔からでも可能と言います。

Nagel氏によると、KfWは2025年までに期待できる開発分野において、同機関のサービスがどう応用できるかを熟考している過程だと言います。そのコンテクストでデジタルテクノロジーが有用ということになり、ビジネスプロセスの最適化を目指して初めてとなるブロックチェーンプロジェクトをブルキナファソで行うことになったそうです。