自動車業界でのITやブロックチェーン技術に対する見解を調査したIBM Institute for Business Value

 

IBMは、本社をアメリカ・ニューヨーク州アーモンクに構え、世界170カ国で事業を展開する、民間や公的機関に対してコンピューター関連の製品やサービスを提供する会社ですが、IBM Institute for Business Valueとはそのビジネス・シンクタンクです。さまざまな業界に対して、その業界固有の問題や経営課題などに関する戦略的見識を提供しています。そのIBM Institute for Business Valueが、先日、Oxford Economicsと共同で、自動車業界の上級幹部に対してブロックチェーン技術に関するアンケートを行いました。

IBM Institute for Business Valueが調査した自動車業界におけるブロックチェーン技術の見解

・自動車業界の上級幹部に対する調査
・ブロックチェーン技術に積極的に投資を行うパイオニアたち
・多くの企業では環境が未整備の現状

自動車業界の上級幹部に対する調査

IBMでは、早くからITやブロックチェーン技術の開発と普及を目指して、あらゆる業界に対して積極的に取り組みを推進してきました。さまざまな分野でブロックチェーン技術を導入するために、技術協力を惜しむことなく、テクノロジーの導入に専門的な見識やスキルを提供しています。IBMでは、自動車業界においてもブロックチェーン技術が未来の鍵を握ると考え、このたびIBM Institute for Business Valueが業界内の上級幹部を対象に、今後の業界とブロックチェーン技術のかかわりについて調査しました。

ブロックチェーン技術に積極的に投資を行うパイオニアたち

調査対象は、他社ブランドの製造を行うOEMの幹部たちと、部品製造などのサプライヤーの幹部たちです。2021年までに自動車業界でブロックチェーン技術が大きな影響力を持つと答えた人は、全体の約62%いました。さらに細かい内訳を見ると、すでに明確な戦略を持っており、ブロックチェーン技術の実験や試用の段階にある自動車業界のパイオニアと目されるグループでは、95%の人がブロックチェーン技術に積極的に投資したいと回答しています。実際、ポルシェや、中国の電気自動車メーカーBYDなどでは、自動車にブロックチェーン技術を結びつける取り組みが進んでいます。

多くの企業では環境が未整備の現状

一方、それ以外では、OEMで56%、サプライヤーで26%と、ブロックチェーン技術への見解に差がある結果となりました。ブロックチェーン技術の計り知れない可能性は承知しつつも、多くの企業ではそれを導入するための環境がまだ整っていないことを示しています。