ING銀行が、ゼロ知識証明を進化させたブロックチェーンを開発。企業のブロックチェーンの採用が止まらない


この記事のポイント
1.INGがゼロ知識証明をより進化させたソリューションを開発
2.ING銀行が開発したZKSMとは何か
3.企業のブロックチェーン採用の波が止まらない

1.INGがゼロ知識証明をより進化させたソリューションを開発

オランダの大手銀行のING銀行が、ゼロ知識証明をより応用の効く形にしたソリューションを開発しました。このソリューションは-Knowledge Set Membership(ZKSM)」という名称で、今までのゼロ知識証明よりも計算能力が高いため、ブロックチェーンによる処理が格段と早くなります。

ゼロ知識証明を使えば、相手に具体的な内容(例えば数値)を伝えることなく、その内容(数値)が適用範囲内、或いは正解であることを証明できるので、ブロックチェーンの業界の中では、匿名性や安全性、プライバシーの保護の観点から、このゼロ知識証明に脚光が浴びせられています。銀行でよく行われている住宅ローンの審査においても、このゼロ知識証明を使えば、相手に自分の収入を公開することなく、自分の収入が住宅ローンの審査基準をクリアできる数値であることを証明できるのです。

2.ING銀行が開発したZKSMとは何か

ING銀行が開発したZKSMは、ゼロ知識証明をより単純化したもので、ブロックチェーン上で拡張するような仕組みとなっています。そのため、与えられた数値を元に、数学の寸法証明や位置情報に変換できるという応用ができます。そのためZKSMを使えば、住所を公開することなく、特定のエリアに居住していることが証明できます。ING銀行はこのZKSMの様なブロックチェーンの開発をオープンソースで進めてきたため、今回も有識者からのレビューを受けてきたことを明かしています。

その有識者の一人がMadars Virza氏であり、彼はZcashの共同創業者でありながら、MITで研究を行っている、まさにブロックチェーンに関するエキスパートです。ING銀行はVirza氏の協力について、「幸運なことに、業界のトップクラスの知識を得て開発を進めることができた。ZKSMがいよいよ実装、試験段階に進むことに非常にワクワクしている」とコメントしています。

3.企業のブロックチェーン採用の波が止まらない

ING銀行に限らず、例えばマイクロソフトではブロックチェーンを採用してウォレット型のアプリを開発したり、トヨタではデジタル広告の最適化を図るために、ブロックチェーンの企業と提携しています。大手企業を中心にブロックチェーンの採用は勢いを増しているのです。