金1gを担保に発行してもらえるRoyal Mint Gold(ロイヤル・ミント・ゴールド)とは?


この記事のポイント
■英国王立造幣局とCMEグループが共同考案した仮想通貨
■金1gを担保に発行してもらうことが可能
■所有権はプライベートブロックチェーンで管理証明

Royal Mint Goldとは

Royal Mint Gold(ロイヤル・ミント・ゴールド)とは、イギリスの英国王立造幣局とアメリカのシカゴ・マーカンタイル取引所(CMEグループ)が共同で開発した仮想通貨銘柄のことです。これは純度99.9%の純金1gを担保として入れることによって発行してもらうことができるという特徴を持つ仮想通貨で、通貨を1RMG所有するということは、純金1gを所有するという権利となります。この純金の所有権利に関する情報はすべてProva For RMGというプライベートなブロックチェーン上で記録管理されていて、ユーザーや投資家は、このブロックチェーンのデータベースへ情報照会することによって、自分がどのぐらいの金を保有しているのかを確認することができますし、第三機関に対して自分の資産を証明したりすることが可能となります。

Royal Mint Goldの特徴

Royal Mint Goldの特徴は、通貨の所有権がリアルな純金の所有と直接的に連携している点があります。RMGの発行に際しては純金が担保となりますが、この金はRoyal Mint Goldによって毎日監査されるほか、6か月ごとには外部の監査機関によって監査が行われることになります。金の保有という点では、ユーザーが家庭などで自己保有するのは危険極まりなく、盗難のリスクなどトラブルが起こりやすいものです。そのため、信頼できる保管業者に預かってもらうわけですが、高額な保管料が発生してしまいます。Royal Mint Goldを用いることによって、この保管料を大幅に節約できるというメリットが期待できる点は、Royal Mint Goldが実用化された暁には高く評価されるでしょう。

2018年現在では計画中止

Royal Mint Goldの開発は、2017年に実用化に向けたテスト段階まで煮詰まったものの、CMEとのパートナーシップを正式に提携する段階で失敗してしまいました。それを受けてイギリス政府が計画の中止を発表したため、2018年現在においてはRoyal Mint Goldは世界中どこの取引所でも上場はしていません。ちなみに開発途中においては、実用化に向けてすでに10億ドル相当のトークンが発行されていたと言われています。