トークンを新規発行して資本家の融資を募るICOは、仮想通貨市場ではよく見られる手法です。
過去にはTezosが200億円以上をICOで集めたことが大きな話題となりました。
ですがアメリカ・ワシントン州に拠点を置く大手マイニング企業Giga Wattの発行したGiga Watt Tokenのようにうまく行かない事例も多く確認されています。
- Giga Watt Tokenはなぜ発行された?
- Giga Watt社は破産申請をしている
- Giga Watt Tokenの価格推移と購入方法
Giga Watt Tokenはなぜ発行された?

Giga Watt社はワシントン州が水力発電で作った比較的安価な電力を利用した大規模なマイニングで利益を挙げてきた企業です。
ワシントン州は気温が低く、冷却効率が高くなる点も有利に働いています。
最高レベルのGPUを利用して多くの種類の仮想通貨のマイニングを行っており、同じく老舗マイニング企業だったMega big power社を買収することでGiga Watt社は北米一のマイニング企業へ成長しました。
Giga Watt TokenはGiga Watt社が専用の変電所と処理装置を備えた「ポッド」と呼ばれる施設を22基増設するための資金を集めるために発行されました。
ICOというよりは、クラウドファンディングに近いものです。
Giga Watt Tokenの所有者はMega big power社の設備を借りてマイニングをする権利を手に入れることができます。
マイニングには専用の機器と莫大な電力が必要で、個人で手を出すことは難しいですがGiga Watt Tokenに出資することで気軽にマイニングができるようになります。
マイニングをしない場合でも、トークンを第三者へ貸し出すことでレンタル料をもらうこともできます。
Giga Watt Tokenはトークンの売買、マイニング、レンタル料で利益を得られる可能性のある、まったく新しい仮想通貨と言えるでしょう。
Giga Watt社は破産申請をしている

しかしGiga Watt Tokenで利益をあげられる可能性は現在では低くなってしまいました。
トークンを提供しているGiga Watt社が2018年11月19日に破産申請を行ったのです。
Giga Watt社は仮想通貨市場の不況によって収益が下がっており、従業員の大量解雇を余儀なくされていました。
また2018年1月にはGiga Watt Tokenのプロジェクトに遅延が生じていたとして、2018年3月にはSEC(米国証券取引委員会)に無許可でGiga Watt TokenによるICOを行っていたとして、それぞれ集団訴訟を起こされていました。
2018年9月にはDave CarlsonCEOが辞任しており、事実上プロジェクトは頓挫しています。
Giga Watt Tokenの価格推移と購入方法
Giga Watt Token (WTT) price, charts, market cap, and other metrics | CoinMarketCap
Giga Watt Tokenは2017年5月から7月にかけてICOが行われ、9月から取引が開始されました。
2017年12月には仮想通貨市場全体の好況で最高値に達しますが、現在は1WTT=1ドルを下回っています。
Giga Watt社に限らず、現在は多くのICOで将来性が不安視されています。
大手仮想通貨取引所BitMEXのArthur HeyesCEOは自身のニューレターでまだ仮想通貨をローンチしていない以下の12のICOプロジェクトを名指しし、将来的な価値を不安視しています。
- Telegram
- Filecoin
- DFINITY
- Polkadot
- tZero
- Basis
- Orchid Protocol
- Rootstock
- Algorand
- Cosmos
- Oasis Labs
これらのプロジェクトもGiga Watt Token同様に将来的なリスクが非常に大きくなる可能性はあります。
Giga Watt TokenはTwitterで情報を発信していますが、Giga Watt社の破産申請後、更新は途絶えています。
Giga Watt Tokenは日本の取引所では購入できないため、海外の取引所でBitcoinと交換してください。