マネーロンダリングの対策をする機関FATFによる仮想通貨への新しいルールが作成される




世界中でテロが起きるようになって久しくなっています。

テロとの戦いは直接の戦闘行為だけではなく、テロ組織の資金源となるマネーロンダリングを防ぐ見えない戦いもあります。

仮想通貨はマネーロンダリングに使われるほか不正流出によって莫大な資金をテロ集団へ与える危険性が指摘されています。

マネーロンダリングを防ぐために設立された組織「FATF」は仮想通貨に対しても勧告を出しました。

FATFについて
・FATFはどのような組織化?
・FATFの仮想通貨への提言
・FATFの提言による日本への影響

FATFとはどのような組織か?


FATFは正式名称を「Financial Action Task 」と言い、日本語では「マネーロンダリングに関する金融活動作業部会」、あるいは単に「金融活動作業部会」と呼ばれる政府間機関です。

1989年にフランス・パリで開かれたアルシュ・サミットにおいて設立され、現在は世界35の国と地域、2つの国際機関によって構成されています。

設立当初は麻薬犯罪に関するマネーロンダリングを防ぐための金融制度を構築することを目的としていましたが、2001年のアメリカ同時多発テロ以後はテロ組織への資金供与への対策と協力関係の構築へと活動をシフトさせています。

1990年にはマネーロンダリングを防ぐために各国が法規制、刑事法制、金融法制と言った各分野で採るべき対策を取りまとめた「資金洗浄に関する40の勧告」を、2001年にはテロ組織への資金供与を防ぐための「テロ資金供与に関する8の特別勧告」をそれぞれ提言しました。

「テロ資金供与に関する8つの特別勧告」は2004年に1項目追加され、「9の特別勧告」となり、更に2012年には2種の勧告が統合されています。

FATFの仮想通貨への提言


FATFはBitcoinの取り扱いをライセンス制にするなど仮想通貨に対しても厳しい視線を向けており、仮想通貨取引所に対しても過去の勧告によってKYC(Know Your Customer)機能の追加などを迫っています。

2018年10月19日にFATFは総会を開き、同年7月に開かれたG20(20か国財務相・中央銀行総裁会議)を受け、2015年に提言したガイダンスを改訂し、2020年6月までに仮想通貨の規制に関するルールを作成することを発表しました。

新しいルールでは仮想通貨のプロバイダの定義が一新され、仮想通貨取引所やウォレットの提供者、ICOの発行者に対しての規制当局によるライセンスの発行が求められるようになります。

仮想通貨を扱う地域ではライセンスを通してプロバイダを監視し、取引記録の保持と疑わしい取引の報告などを求めるなど仮想通貨の誤用や悪用を防ぐための法的な措置を講じるほか、プロバイダへのAML/CFT(マネーロンダリング/テロ資金供与)法制の適用がルールに盛り込まれることになると言われています。

FATFによる提言の日本への影響


FATFには各国政府の勧告の準拠状況を審査する権限もあり、仮想通貨への新しいルールも定期的に審査される見込みです。

もし準拠が不十分な国が遭った場合はFATFのブラックリストに掲載され、罰則として世界の金融システムへのアクセス権を制限されることとなるでしょう。

過去、日本は2008年に行われた第3次相互審査によって「40の勧告」のうち9つ、「9の勧告」のうち1つの項目が非遵守と判定されました。

そして2014年6月には2008年に指摘された項目を改善されていなかったことから「テロ資金供与の犯罪化が不透明」、「テロリストの資金凍結に関する仕組みが不完全」などの不備を改善するような声明が出されました。

日本は仮想通貨への法整備が進んだ国ではありますが、FATFの仮想通貨へのルールを含めた数々の勧告をどう遵守していくのかは大きな課題となっています。