eTrade Connect(イートレードコネクト)は貿易金融ブロックチェーン


この記事のポイント
■10以上の銀行が共同開発
■ブロックチェーンをベースにした貿易金融プラットフォーム
■貿易金融の効率化が期待

eTrade Connectは世界各国の銀行による共同開発

eTrade Connect(イートレードコネクト)は、イギリス大手の銀行であるHSBCやスタンダード・チャータード、中国農業銀行など世界各国の銀行10行以上が共同で開発を行った貿易金融プラットフォームです。2018年11月には香港でいよいよ運用が開始され、世界の貿易金融に広く普及浸透すると予想されています。eTrade Connectは世界各国の銀行による共同開発ですが、手動したのは香港金融管理局、つまり香港の中央銀行に当たる機関です。

ちなみに最初の運用対象となったのは、香港の人気家庭用品ネット通販であるPriceriteで、この決済システムにeTrade Connectが導入されました。

eTrade Connectは貿易金融の効率化をもたらす

eTrade Connectが世界中に広く浸透することによって、各国の貿易金融は大幅に効率化できると考えられています。その費用対価は数兆ドルとも言われているため、eTrade Connectを導入することによって国際貿易の効率が著しく改善されて、更なる貿易の活性化につながると期待されています。具体的にどのぐらい効率化できるのか、気になる人は多いでしょう。例えば、イギリスにある金融業者がeTrade Connectを利用すると、アジア諸国から申請された貿易ローンの申請に対して承認までにかかる時間を従来の1日半程度からわずか4時間程度へと短縮できます。

貿易金融産業では、毎年9兆ドルとも言われる決済を行っていますが、その多くはまだデジタル化されておらず、ペーパーベースでの記録に頼っています。eTrade Connectを導入することによって、こうした決済業務のデジタル化を進めることができ、決済のスピードや透明性、正確性も高まることでしょう。

不正リスクの軽減も期待

eTrade Connectを導入すると、ブロックチェーン技術を使った信用状を作成することができます。ペーパーベースの場合には、この信用状が偽造されるなどの不正行為の心配がありましたが、eTrade Connectを導入すれば不正することが難しくなるため、金融決済における不正リスクを最小限に抑えることができます。さらに、プロセスの簡略化や迅速化にもつながっていきます。